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'''中性子'''(ちゅうせいし)とは、陽子とともに原子核を構成する素粒子のひとつ。陽子よりも少し大きい質量を有し、電荷をもたず、物質中の透過性が強い。
'''中性子'''(ちゅうせいし、英語:neutron)とは、[[陽子]]とともに[[原子核]]を構成する[[素粒子]]のひとつである。


1932年、[[チャドウィック]]がアルファ粒子をベリリウムにぶつけたときに発見した。
== 概要 ==
中性子は[[陽子]]よりも少し大きい質量を有し、[[陽子]]とは異なり[[電荷]]をもたない[[素粒子]]である。
[[電荷]]をもたないため、[[電子]]や[[陽子]]に引っ張れて減速することもないため、[[物質]]中の透過性が強い。
 
[[陽子]]の数が異なるものを[[元素]]、[[元素]]としては同じだが中性子の数が異なるものを[[同位体]]という。
 
== 中性子の利用 ==
[[医療]]の分野においては[[放射線治療]]などに用いられている。
 
== 中性子の発見 ==
=== 1920年 ===
[[アーネスト・ラザフォード]]は当時主流であった「[[原子核]]は[[陽子]]と[[電子]]だけで出来ている」とする説では様々な矛盾が発生してしまうことから、中性子の存在をを予言した。
 
=== 1930年 ===
[[ヴァルター・ボーテ]]と[[ヘルベルト・ベッカー]]が[[ベリリウム]]に[[アルファ線]]をあてると極めて透過性の強い[[放射線]]が放出されることを発見した。その[[放射線]]は[[ベリリウム線]]と呼ばれるようになる。
 
=== 1931年 ===
[[ジョリオ・キュリー夫妻]]が[[物質]]に[[ベリリウム線]]をあてると粒子(後に[[陽子]]と呼ばれる)が飛び出すことを発見した。
 
=== 1932年 ===
[[アーネスト・ラザフォード]]のもとで研究をおこなっていた[[ジェームズ・チャドウィック]]が[[ジョリオ・キュリー夫妻]]の論文を読み、[[ベリリウム線]]を当てた[[物質]]から飛び出す[[粒子]]が[[電荷]]をもつことに着目した。そして様々な[[物質]]にベリリウム線を照射し、その質量を計測した。その結果、ベリリウム線が陽子1つと同じ質量を持ち、電気的には中性(電荷をもたない)である粒子であることを発見した。
 
=== 1935年 ===
[[湯川秀樹]]が[[陽子]]と[[中性子]]を結び付ける[[中間子]]の存在を予言し、後にその理論の正しさが証明され、日本人初となるノーベル賞を受賞した。
 
== 関連項目 ==
* [[同位体]]
* [[原子]]
* [[原子核]]
* [[陽子]]
 
== 参考文献 ==
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2012年11月9日 (金) 22:32時点における版

中性子(ちゅうせいし、英語:neutron)とは、陽子とともに原子核を構成する素粒子のひとつである。

概要

中性子は陽子よりも少し大きい質量を有し、陽子とは異なり電荷をもたない素粒子である。 電荷をもたないため、電子陽子に引っ張れて減速することもないため、物質中の透過性が強い。

陽子の数が異なるものを元素元素としては同じだが中性子の数が異なるものを同位体という。

中性子の利用

医療の分野においては放射線治療などに用いられている。

中性子の発見

1920年

アーネスト・ラザフォードは当時主流であった「原子核陽子電子だけで出来ている」とする説では様々な矛盾が発生してしまうことから、中性子の存在をを予言した。

1930年

ヴァルター・ボーテヘルベルト・ベッカーベリリウムアルファ線をあてると極めて透過性の強い放射線が放出されることを発見した。その放射線ベリリウム線と呼ばれるようになる。

1931年

ジョリオ・キュリー夫妻物質ベリリウム線をあてると粒子(後に陽子と呼ばれる)が飛び出すことを発見した。

1932年

アーネスト・ラザフォードのもとで研究をおこなっていたジェームズ・チャドウィックジョリオ・キュリー夫妻の論文を読み、ベリリウム線を当てた物質から飛び出す粒子電荷をもつことに着目した。そして様々な物質にベリリウム線を照射し、その質量を計測した。その結果、ベリリウム線が陽子1つと同じ質量を持ち、電気的には中性(電荷をもたない)である粒子であることを発見した。

1935年

湯川秀樹陽子中性子を結び付ける中間子の存在を予言し、後にその理論の正しさが証明され、日本人初となるノーベル賞を受賞した。

関連項目

参考文献