OsiriX

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OsiriX
OsiriX.png
最新版 3.9.3 (英語版)、3.9.3 (多言語版)(2011年8月1日 (英語版)、2011年8月1日 (多言語版))
対応OS MacOSX、iOS(iPhone/iPad)
ライセンス GPL
公式サイト http://www.osirix-viewer.com (英語)
http://www.newton-graphcis.co.jp/osirix (日本語)
  

OsiriX (オザイリクス)は、DICOM 画像を参照および再構築することに特化したオープンソースの下で開発が行われているMac OS XおよびiOS(iPhone/iPadのOS)で動作する画像処理ソフトウェアである。

歴史[編集 | ソースを編集]

Macintosh向けのOsirisというDICOMビューア(というかACR-NEMA時代)がMac OS Xに対応した際にOsiriXへと名称変更となったものであり、1991年に初公開されたOsiris時代から数えると医療系のソフトウェアの中でも飛び抜けて歴史のあるソフトウェアである。

  • 2011年8月1日 - OsiriX 3.9.3が公開。 Mac OS X Lionに対応した。

概要[編集 | ソースを編集]

英語版および、日本語、オランダ語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、中国語をサポートした多言語版がある。基本的に英語版が先行リリースされる。

OsiriXは医用画像で一般的な2Dをはじめ、3次元MPRボリュームレンダリングサーフェイスレンダリングを用いた3Dや4D(時間軸を有する3D、心臓がバクバクしてる動画など)、さらには5D(時間軸および機能軸を有する3D、前述の4DにPET画像のフュージョンなど)までサポートしており、一般的な読影向けのDICOMビューアというよりは、画像の再構成を主目的としたDICOMワークステーションと言った方が的確である。

近年のOsiriXにはDICOMビューアーとしての機能のみならず、簡易なDICOMサーバーとしての機能も備わっている。

内部的には他のオープンソースプロジェクトの成果を次々と取り入れており、たとえばDICOM関連の基本機能にはDCMTK、セキュアな通信にはOpenSSL、可視化にはVTKセグメンテーションレジストレーションにはITKなどを積極的に利用している。

2004年12月に開催された世界最大の放射線医学学会である北米放射線学会(RSNA)において、医学の発展に絶大な貢献をしたとしてソフトウェアでは初となるCum Laude賞を受賞した。

OsiriXの開発体制[編集 | ソースを編集]

開発はOsiriX財団のOsiriXプロジェクトにより行われている。OsiriXはオープンソースであり、だれでもソースコードを閲覧することは出来るが、オリジナルのソースコードの編集は限られた者のみ行える。これは無差別な編集による混乱を避けるための予防措置である。改良を行う権限は、貢献の大きい個人、および公式パートナーと呼ばれるセカンドパーティー企業に与えており、第三者によるソースコードの提供についてはセカンドパーティー企業が窓口となり監査をおこなった上で取り込まれる。セカンドパーティー企業は世界各地に点在し、日本地区では 有限会社ニュートン・グラフィックスが窓口となっている。

OsiriXの種類[編集 | ソースを編集]

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OsiriXの使い方[編集 | ソースを編集]

基本的な使い方についてはOsiriX オンライン解説文書が詳しい。応用的な使い方についてはOsiriXナビゲーターおよび[医用画像解析アプリ OsiriXパーフェクトガイド http://www.amazon.co.jp/%E5%8C%BB%E7%94%A8%E7%94%BB%E5%83%8F%E8%A7%A3%E6%9E%90%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA-OsiriX%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89-%E6%9D%89%E6%9C%AC%E7%9C%9F%E6%A8%B9/dp/4767811996]が詳しい。


応用例[編集 | ソースを編集]

OsiriXは基本的にスタンドアローンなシステムであり、読影医が常時何十人もおり、2重読影、3重読影などが行われる大学病院などの大規模な放射線科向けPACS(読影端末)としての機能は弱い。そもそも多重読影など行われず、HISどころかRISすら無く、常勤の読影医は1人、もしくは読影医はバイトで稀に来るだけ医療機関やであれば全然問題ないが、何らかのモダリティを買えば簡易DICOMビューアくらいオマケで付いてくるので必要ないと言えばない。

その一方で、放射線科以外(外科領域など)では、OsirXそのもの、もしくはOsiriX改造し組み込んだ手術ナビゲーションシステムなどの導入・開発(改造)事例が論文として数多く報告されている。

以下、Google先生で検索して拾ってきた応用例。こんなのもあるよというのは書いてね。

Mixed Augmented Reality Surgery by OsiriX: Image Overlaid See-through Surgery[編集 | ソースを編集]

<youtube size="medium" align="right">PRHQFiymQKs</youtube> この動画は開腹手術・内視鏡下手術の正確性・安全性・低侵襲性向上を目的に、OsiriXをベースとしたイメージ・オーバーレイによる立体的手術支援システムである。

事前に撮影したMDCTによる臓器血管ボリュームデータを、術中にOsiriXを用いてレンダリングしたVR画像(Virtual Reality,仮想現実)を、高輝度プロジェクターを用いて術野(患者の人体)へ重畳表示(AR,Augmented Reality,拡張現実)することで、MR投影(VR + AR = Mixed Reality,混合現実)を実現している。この立体的手術支援画像はワイヤレスコントローラーを術者自身が操作することで的確に術野変化へ位置などを補正できるという。

皮膚から臓器までをリアルタイムにボリュームレンダリングで表示できるOsiriXの導入により、レジストレーション(異種座標系の位置合わせ)には体表ランドマーキング(身体の特徴点)を用いてマーカーレス化し、かつ術者自身によるワイヤレス操作によって直感的なナビゲーションを実現、解剖認識が高まったという。ボリュームレンダリング画像と人体の整合後の重畳表示投影は、誤差わずか10mm範囲内であり、鏡視下手術における手指視覚協同を改善、皮膚切開を最小限にし、的確な切開範囲と切開位置が得られ、低侵襲性を著しく向上したという。


プラグイン[編集 | ソースを編集]

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脚注[編集 | ソースを編集]

参考文献[編集 | ソースを編集]

  • 杉本真樹 『消化管肝胆膵ベッドサイドイメージング―フリーソフトウェアOsiriXでつくる3Dナビゲーション』 へるす出版、2009年。ISBN 978-4892696886。   http://www.herusu-shuppan.co.jp/book/650_699/688.html
  • 「フロントランナー IT駆使して医療を可視化」『朝日新聞』2010年7月10日付朝刊土曜版be 、第1・3面。

外部リンク[編集 | ソースを編集]