「エボラ出血熱」の版間の差分
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2014年10月27日 (月) 15:41時点における版
Ebola virus disease | |
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分類及び外部参照情報 | |
1976 photograph of two nurses standing in front of Mayinga N., a person with Ebola virus disease; she died only a few days later due to severe internal hemorrhaging. | |
ICD-10 | A98.4 |
ICD-9 | 065.8 |
DiseasesDB | 18043 |
MedlinePlus | 001339 |
eMedicine | med/626 |
MeSH | D019142 |
エボラ出血熱(読み:エボラしゅっけつねつ、英語:Ebola hemorrhagic fever、Ebola virus disease - EVD[1])とは、フィロウイルス科エボラウイルス属のウイルスを病原体とする急性ウイルス性感染症である。
概要
詳細は「エボラウイルス属」を参照
エボラ出血熱は出血熱の一つでありヒトにも感染する。 エボラ出血熱の原因となるエボラウイルスには様々な種類があり、中には50-90%という致死率を持つ種類も存在する。 エボラウイルスは大きさが80 - 800nmの細長いRNAウイルスであり、ひも状、U字型、ぜんまい型など形は決まっておらず多種多様である。
体細胞の構成要素であるタンパク質を分解することでほぼ最悪と言える毒性を発揮し、体内に数個のエボラウィルスが侵入しただけでも容易に発症する[2]。そのためエボラウィルスはWHOのリスクグループ4の病原体に指定されており、バイオセーフティーレベルは最高度の「BSL4」が要求される。ちなみに日本にはP4施設がないため疑わしい患者が発見されても手の打ちようがない。
死者数
「エボラ出血熱」の恐怖が知られるようになってから30年以上が経つが、これまでの死者数は1,590人(2012年12月現在)で、これは今日でも年間10万~数10万人の死者を出しているマラリアやコレラと比較しても格段に少ない[3]。
これはエボラ出血熱の症状の激しさや致死率の高さの一方で、「空気感染はせず、他人に感染する前に感染者が死に至るため、蔓延しにくい」という側面もあり、その恐怖は映画や小説で描かれたイメージや、「致死率90%」という数字により誇張されているとの指摘もある[4]。
しかし、決定的証拠は無く、関与の程度も不明なものの、ヒトの間で空気感染する可能性は強く疑われている[2]。
発見
初めてこのウイルスが発見されたのは1976年6月。スーダン(現:南スーダン)のヌザラ (Nzara) という町で、倉庫番を仕事にしている男性が急に39度の高熱と頭や腹部の痛みを感じて入院し、その後に消化器や鼻から激しく出血して死亡した。また、その直後にその男性の近くにいた2人も同様に発症し、それを発端に血液や医療器具を通して感染が一気に広がった。最終的にヌザラでの被害は、感染者数284人、死亡者数151人と言うものだった。
その後、エボラ出血熱はアフリカ大陸で10回、突発的に発生・流行し、感染したときの致死率は50 - 90%と非常に高い[5]。
名称の由来
「エボラ」という病名は、初めてこのウイルスが発見された発病者の地域の近くに流れる「エボラ川」という河川の名称から命名された。
主な治療薬
2014年8月時点でエボラ出血熱の治療薬として期待されているものは以下の5つである。 エボラ出血熱用として完成したものは何一つない。
T-705(ファビピラビル)
ファビピラビルはインフルエンザの治療薬として、日本で開発され、2014年3月に日本で世界に先駆け承認されたものである。
ファビピラビルはインフルエンザの治療薬であるが、そのメカニズムからするとRNAウイルス全般に効くのではないかと一部で囁かれはじめ、実際に米国の研究機関などがマウスを使った実験を行ったところエボラウイルスを排除する効果が確認されており、エボラ出血熱にも効果がある可能性が高いとして世界中が注目している。
海外では臨床試験前であり2014年8月時点では最後発にあたるが、想像以上のエボラ出血熱のアウトブレイクと、インフルエンザでの実績(すでに安全性が確認されていること)から米国などでは特例的に承認を早めようという動きがある。
TKM-Ebola
TKM-Ebolaは、2014年8月現在、フェーズ1を中断している。
BCX4430
MB-003(ZMapp)
MB-003(ZMapp)は、米カリフォルニア州の創薬ベンチャー企業マップ・バイオファーマシューティカルが開発中のタバコの葉を原料とする抗体カクテルである。 米国立衛生研究所(NIH)や米国防高等研究計画局(DARPA)、米国防脅威削減局(DTRA)が資金援助を行っている。
2014年8月現在、フェーズ1準備中である。
2014年のエボラ出血熱のアウトブレイクに際して、現地にて治療にあたり自らも感染してしまった米国人医師2名に投与して話題となった。 [6]
AVI-7537
AVI-7537は、2014年8月現在、フェーズ1実施中である。
主なタイムライン
http://news.mynavi.jp/news/2014/08/11/283/
関連項目
参考文献
- ↑ 『…必ずしも出血症状を伴うわけではないことなどから…呼称されることが多い。』西アフリカ諸国におけるエボラ出血熱の流行に関するリスクアセスメント 国立感染症研究所 2014年8月8日
- ↑ 2.0 2.1 Ebola virus - Pathogen Safety Data Sheets カナダ保健省
- ↑ “Ebola virus disease” (英語). Media centre Fact sheets. WHO (2014年4月). 2014年6月19日閲覧。
- ↑ 殺人ウイルス「エボラ」、映画や小説があおった恐怖の歴史 AFPBB News 2008年4月3日
- ↑ Diane Bennett; David Brown (1997年). “Ebola virus” (英語). British Medical Journal. 2009年2月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年6月19日閲覧。
- ↑ “Experimental drug likely saved Ebola patients”. CNN (2014年8月4日). Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。