インフルエンザ

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インフルエンザ(英語:influenza,flu)とは、主に風邪とよばれるものの症状のほかに悪寒高熱筋肉関節が痛むといった症状がみられる流行性感冒であり、ヒトをはじめとする哺乳類や多種類の鳥類の疾患である。

インフルエンザと熱性感冒を区別するのは難しいが、多数の人の間で突然発症したときは、ほとんど常にインフルエンザという診断である。

曖昧表記について[編集 | ソースを編集]

「インフルエンザ」を冠する病原体には大きく分けてインフルエンザウイルスインフルエンザ菌があり、一般的に単に「インフルエンザ」という場合はインフルエンザウイルスを指している。本項は「インフルエンザウイルス」に感染した際の症状についての記述であり、Hibなどのインフルエンザ菌についてはそれぞれのページを参照。

概要[編集 | ソースを編集]

日本でのインフルエンザは、11月~12月頃から発生が始まり、1~3月の間にピークとなり、4~5月にかけて消えていく。そして人口の5~15%の人がインフルエンザにかかり医療機関に行くと考えられている。しかし、これはあくまで目安であり流行が早く始まる年もあれば、遅く始まる年もあり、流行が大きい年、小さい年と様々である。また、最近は初夏から夏にかけ地域的にインフルエンザが流行することがある。

症状[編集 | ソースを編集]

現在のところ、このウイルス性疾患に対する有効な特別の治療法はないが、軽症の場合や免疫をもっている人は、風邪程度の症状で治ったり、症状がでないこともある。しかし、免疫がじゅうぶんではない、また無い人は悪寒のはじまりから、続いて38~40度の高熱筋肉関節の痛み、鼻水くしゃみといった症状が4~5日続き、回復に7~10日かかる。

ウイルスの潜伏期間は1~3日で、発熱する少し前から体外に出るので他の人に感染させる可能性がある。もっともの高い時期が、などから体外に出すウイルス量ももっとも多くなり、が下がっても1~2日は少量のウイルスを出す可能性がある。がぶり返すことがあるので学校保健方施行規則では2日間は登校してはならないとなっている。インフルエンザに限らず発熱後は平熱に戻ったのち24時間程度は隔離された状態で安静にするのが望ましい。

インフルエンザは合併症を引き起こしやすい病気であり、幼児お年寄りは特に注意が必要である。 1~6歳くらいの幼児は稀に急性脳症を起こすことがあり、が出始めてから24~48時間以内に症状が現れる。また、お年寄り肺炎を起こしやすく、肺炎の原因になることがあり、症状はインフルエンザになってから数日で現れる。 その他に、突然の異常行動熱性痙攣(ねつせいけいれん)、脱水症筋炎などが主な合併症として知られている。

特徴[編集 | ソースを編集]

インフルエンザにはA型、B型、C型の3種類があり、A型はトリやブタなど様々な動物に感染し、144種類に分類できる。一方、B型は2種類、C型は1種類であり、ヒトにしか感染しない。 A型、B型の感染を受けると、上記のような特徴があるインフルエンザの症状が出やすくなる。またC型は、風邪と呼ばれる症状とほぼ同じであることがほとんどだが、はっきりとした流行パターンをとっていないのが特徴である。

インフルエンザは感染症であるが、麻疹風疹水痘のように一度感染したり、ワクチンを投与することで、再び感染することが無くなるものと違って、ウイルスなどの呼吸器上部で増えても全身に強い免疫があまりできないため免疫の記憶が長続きせず、また、インフルエンザウイルスは変異を繰り返すため毎年のように少しづつ新しい型に変化しているので、それまでの免疫では不十分であるため症状発症してしまう。

新型インフルエンザ[編集 | ソースを編集]

豚インフルエンザ[編集 | ソースを編集]

ブタの呼吸器は、ヒトのインフルエンザウイルスとトリのインフルエンザウイルスが侵入できるレセプターを持っており、あるブタがヒトとトリのインフルエンザウイルスに同時に感染してしまうと、ブタの体内でインフルエンザウイルスの遺伝子組換え(再集合)が起こり、ヒトに侵入しやすくなったトリ型のインフルエンザウイルスが生まれる。

これが新型インフルエンザウイルスの誕生であり、1957年のアジア型インフルエンザ、1968年の香港型インフルエンザはこのようにして発生したと考えられている。

鳥インフルエンザ[編集 | ソースを編集]

トリ型インフルエンザウイルスが直接ヒトに侵入することは無いと言われてきたが、1997年に香港で発生した高病原性鳥インフルエンザウイルスA/H5N1がニワトリなどの間で大流行した際に、このトリインフルエンザウイルスに18名の人間が感染したことが明らかになった。

しかしこのトリ型インフルエンザウイルスの遺伝子型は従来のものと同じでヒトに感染しやすい型に変化していた訳ではなく、一般的なヒトに感染が広まることは無かった。ただし、これがニワトリ類の中で流行するとヒトに侵入しやすい型にウイルスが突然変異する可能性が指摘された。

備考[編集 | ソースを編集]

現在流行しているA型インフルエンザは香港型(A/H3N2)とソ連型(A/H1N1)だが、毎年少しづつ変化してながらも今までと同じタイプのウイルスの流行が続いている。しかし、それでも毎年日本では700~1800万人(人口の12~13%相当)がインフルエンザにかかり医療機関にかかっている。つまり免疫が蓄えられている状態でもこれほどの人数が病気になっているのが現状であるため、新しいウイルスが登場するとまったく免疫を持っていないので多くの人が感染する可能性がある。

関連項目[編集 | ソースを編集]

参考文献[編集 | ソースを編集]