「ファビピラビル」の版間の差分
imported>Sciencer831 編集の要約なし |
|||
4行目: | 4行目: | ||
ファビピラビルは[[インフルエンザ]]の[[治療]]を目的とした[[RNAポリメラーゼ阻害薬]]である。 | ファビピラビルは[[インフルエンザ]]の[[治療]]を目的とした[[RNAポリメラーゼ阻害薬]]である。 | ||
==インフルエンザ== | |||
ファビピラビルは[[インフルエンザ]]の[[治療]]を[[目的]]とした[[経口摂取]]する[[錠剤]]であり、[[インフルエンザワクチン]]よりも遙かに製造も接種も簡単であると期待されている。 | ファビピラビルは[[インフルエンザ]]の[[治療]]を[[目的]]とした[[経口摂取]]する[[錠剤]]であり、[[インフルエンザワクチン]]よりも遙かに製造も接種も簡単であると期待されている。 | ||
また、ファビピラビルは[[RNAポリメラーゼ]]を阻害するという[[メカニズム]]であるため、未知の[[新型インフルエンザウイルス]]が登場しても効果があるのではないかと期待されている。 | また、ファビピラビルは[[RNAポリメラーゼ]]を阻害するという[[メカニズム]]であるため、未知の[[新型インフルエンザウイルス]]が登場しても効果があるのではないかと期待されている。 | ||
==薬事承認== | |||
ファビピラビルは2014年3月24日に世界に先駆け日本で製造・販売を承認された。 | |||
[[副作用]] | ただし、ファビピラビルは強い[[副作用]]の疑いがあるため、[[インフルエンザワクチン]]などに代わるものではなく、あくまで[[新型インフルエンザ]]が既存の薬に対する耐性を持ち、効かなかった場合の緊急対策として承認されたものであり、[[厚労省]]が要請を出した場合のみの供給となる。 | ||
===エボラ出血熱 | また、ファビピラビルには未知な部分も多く、さらなる有効性を確認するための[[治験]]を実施することを条件にした。 | ||
==副作用== | |||
ファビピラビルは[[副作用]]が非常に強いため通常のインフルエンザには使用してはならないとされ、重篤な患者にのみ本人および家族に危険性の説明のうえで使用するものとされている。非臨床試験の[[動物実験]]で[[催奇形性]]が確認されており、[[ヒト]]でも同様と考えられるため、[[妊婦]]への[[投与]]は避けなければならない。 | |||
==エボラ出血熱== | |||
ファビピラビルは[[エボラ出血熱]]にも効果がある可能性が高いとして世界中が注目している。すでに米国の研究機関などの[[研究]]から、[[マウス]]を使った実験で[[エボラウイルス]]を排除する効果が確認されている。 | |||
ファビピラビルは日本で[[インフルエンザ]]向けに承認されたばかりであり、他国や他用途での[[臨床試験]]や承認には最低でも数年はかかるが、2014年の[[エボラ出血熱]]の[[アウトブレイク]]を機に米国政府機関が手続きを迅速化させる動きもある。 | ファビピラビルは日本で[[インフルエンザ]]向けに承認されたばかりであり、他国や他用途での[[臨床試験]]や承認には最低でも数年はかかるが、2014年の[[エボラ出血熱]]の[[アウトブレイク]]を機に米国政府機関が手続きを迅速化させる動きもある。 | ||
26行目: | 31行目: | ||
*[[BCX4430]] | *[[BCX4430]] | ||
*:2014年8月現在、[[前臨床]]中。 | *:2014年8月現在、[[前臨床]]中。 | ||
*[[MB-003]] | *[[MB-003]]([[ZMapp]]) | ||
*:2014年8月現在、[[フェーズ1]]準備中。 | *:2014年8月現在、[[フェーズ1]]準備中。 | ||
*[[AVI-7537]] | *[[AVI-7537]] |
2014年8月12日 (火) 00:15時点における版
ファビピラビル(コードネーム:T-705、商品名:アビガン)とは、富士フイルムグループの富山化学工業が開発したインフルエンザの治療薬の一般名である。
概要
ファビピラビルはインフルエンザの治療を目的としたRNAポリメラーゼ阻害薬である。
インフルエンザ
ファビピラビルはインフルエンザの治療を目的とした経口摂取する錠剤であり、インフルエンザワクチンよりも遙かに製造も接種も簡単であると期待されている。
また、ファビピラビルはRNAポリメラーゼを阻害するというメカニズムであるため、未知の新型インフルエンザウイルスが登場しても効果があるのではないかと期待されている。
薬事承認
ファビピラビルは2014年3月24日に世界に先駆け日本で製造・販売を承認された。
ただし、ファビピラビルは強い副作用の疑いがあるため、インフルエンザワクチンなどに代わるものではなく、あくまで新型インフルエンザが既存の薬に対する耐性を持ち、効かなかった場合の緊急対策として承認されたものであり、厚労省が要請を出した場合のみの供給となる。
また、ファビピラビルには未知な部分も多く、さらなる有効性を確認するための治験を実施することを条件にした。
副作用
ファビピラビルは副作用が非常に強いため通常のインフルエンザには使用してはならないとされ、重篤な患者にのみ本人および家族に危険性の説明のうえで使用するものとされている。非臨床試験の動物実験で催奇形性が確認されており、ヒトでも同様と考えられるため、妊婦への投与は避けなければならない。
エボラ出血熱
ファビピラビルはエボラ出血熱にも効果がある可能性が高いとして世界中が注目している。すでに米国の研究機関などの研究から、マウスを使った実験でエボラウイルスを排除する効果が確認されている。
ファビピラビルは日本でインフルエンザ向けに承認されたばかりであり、他国や他用途での臨床試験や承認には最低でも数年はかかるが、2014年のエボラ出血熱のアウトブレイクを機に米国政府機関が手続きを迅速化させる動きもある。
ちなみに2014年8月時点でエボラ出血熱の治療薬として期待されちるものは以下の5つである。
- T-705(ファビピラビル)
- 2014年8月現在、インフルエンザでは承認済み。
- TKM-Ebola
- 2014年8月現在、フェーズ1中断。
- BCX4430
- 2014年8月現在、前臨床中。
- MB-003(ZMapp)
- 2014年8月現在、フェーズ1準備中。
- AVI-7537
- 2014年8月現在、フェーズ1実施中。