「エリア・ディテクターCT」の版間の差分

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== 概要 ==
== 概要 ==
ADCTは、[[ヘリカルCT]]や一般的な[[MDCT]]で螺旋状に撮影する際に問題とされた「重なり部分」の放射線の被曝量を抑えるために、アホみたいに幅を広げて(X線検出器を大量に並べて)1回転で撮影してしまえば重なり部分がないよね、という趣旨のハイエンド機種である。
ADCTは、[[ヘリカルCT]]や一般的な[[MDCT]]で螺旋状に撮影する際に問題とされた「重なり部分」の[[放射線]]の被曝量を抑えるために、アホみたいに幅を広げて(X線検出器を大量に並べて)1回転で撮影してしまえば重なり部分がないよね、という趣旨のハイエンド機種である。


ADCTでは、特定部位(エリア)を超高速で断続的に撮影(動画撮影)するのを主目的としている(主に[[心臓]])。  
ADCTでは、特定部位(エリア)を超高速で断続的に撮影(動画撮影)するのを主目的としている(主に[[心臓]])。  


320列の機種の代表格である[[東芝メディカルシステムズ]]の[[Aquilion ONE]]では、16cm幅(= 0.5mm幅の検出器 × 320個)を1回転で撮影できる。ちなみに1回転0.3秒程度(ただし撮影前の加速に数秒かかる)。
320列の機種の代表格である[[東芝メディカルシステムズ]]の[[Aquilion ONE]]では、16cm幅(= 0.5mm幅の検出器 × 320個)を1回転で撮影できる。ちなみに1回転0.33秒程度(ただし撮影前の加速に数秒かかる)。


例えば16cmあれば[[心臓]]全体を撮影でき、また1断層0.3秒で撮影できるので、テーブルを動かさず断続的に同じ位置で撮り続ければ、[[心拍]]する4D画像([[ボリュームレンダリング]]動画)を綺麗に撮ることができる。
例えば16cmあれば[[心臓]]全体を撮影でき、また1断層0.33秒で撮影できるので、テーブルを動かさず断続的に同じ位置で撮り続ければ、[[心拍]]する4D画像([[ボリュームレンダリング]]動画)を綺麗に撮ることができる。
また、[[デュアル・ソースCT]]の特性も持ち合わせた機種や、画像の[[再構成]]を用いることで撮影時の回転を半分に抑えた機種なども存在しており、これらを両方の特性を持つ機種では1断層0.825秒という超高速で撮影を行える物も存在する。


== 価格帯 ==
== 価格帯 ==
なお、ADCTはハイエンド機種なので当然プライスレス。
ADCTはハイエンド機種でありお金で買えない価値があるので当然プライスレスである。


当然4D画像を扱える[[DICOMビューアー]]も必要であり、また1秒間に1000枚近いDoS攻撃かと思うようなアホみたいな量の[[DICOM画像]]を受けきれる[[DICOMサーバー]]も必須であり、導入には[[モダリティー]]のみならず[[PACS]]まで丸ごと入れ替える意気込みが必要である。
ADCTの導入に際しては、当然のようにそれを見るための[[4D]]画像([[3D]]≒[[ボリュームレンダリング]]、[[4D]]≒[[ボリュームレンダリング]]の動画)を扱える[[DICOMビューアー]]も必要であり、また1秒間に1000枚オーバーというDoS攻撃かと思うようなアホみたいな量の[[DICOMファイル]]を受けきれる[[DICOMサーバー]]も必須である。よってADCTの導入には[[モダリティ]]のみならず[[PACS]]など、[[放射線科]]の[[部門システム]]を丸ごと入れ替える意気込みが必要となる。


== 関連項目 ==
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* [[DICOM]]
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* [[再構成]]
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== 参考文献 ==
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2013年3月26日 (火) 17:27時点における最新版

エリア・ディテクターCT(Area Detector CT, ADCT)とは、コンピューター断層撮影装置CT)の構造の一種で、MDCTと基本構造は同じであるが、X線検出器を256列や320列も並べたMDCTのハイエンド機のことである。

概要[編集 | ソースを編集]

ADCTは、ヘリカルCTや一般的なMDCTで螺旋状に撮影する際に問題とされた「重なり部分」の放射線の被曝量を抑えるために、アホみたいに幅を広げて(X線検出器を大量に並べて)1回転で撮影してしまえば重なり部分がないよね、という趣旨のハイエンド機種である。

ADCTでは、特定部位(エリア)を超高速で断続的に撮影(動画撮影)するのを主目的としている(主に心臓)。

320列の機種の代表格である東芝メディカルシステムズAquilion ONEでは、16cm幅(= 0.5mm幅の検出器 × 320個)を1回転で撮影できる。ちなみに1回転0.33秒程度(ただし撮影前の加速に数秒かかる)。

例えば16cmあれば心臓全体を撮影でき、また1断層0.33秒で撮影できるので、テーブルを動かさず断続的に同じ位置で撮り続ければ、心拍する4D画像(ボリュームレンダリング動画)を綺麗に撮ることができる。 また、デュアル・ソースCTの特性も持ち合わせた機種や、画像の再構成を用いることで撮影時の回転を半分に抑えた機種なども存在しており、これらを両方の特性を持つ機種では1断層0.825秒という超高速で撮影を行える物も存在する。

価格帯[編集 | ソースを編集]

ADCTはハイエンド機種でありお金で買えない価値があるので当然プライスレスである。

ADCTの導入に際しては、当然のようにそれを見るための4D画像(3Dボリュームレンダリング4Dボリュームレンダリングの動画)を扱えるDICOMビューアーも必要であり、また1秒間に1000枚オーバーというDoS攻撃かと思うようなアホみたいな量のDICOMファイルを受けきれるDICOMサーバーも必須である。よってADCTの導入にはモダリティのみならずPACSなど、放射線科部門システムを丸ごと入れ替える意気込みが必要となる。

関連項目[編集 | ソースを編集]

参考文献[編集 | ソースを編集]