ワクチン
ワクチン(ドイツ語: Vakzin、英語: vaccine)とは、感染症の予防のために、感染症の原因となる病原体から作られる医薬品のことである。
概要[編集 | ソースを編集]
ワクチンの主な目的はウィルスや細菌などの病原体に耐える身体を作り上げることにある。すなわち抗体(免疫力)を作ることにある。
なおワクチンの接種方法は時代と共に頻繁に変化しているため、数年前の書籍などの情報は間違っているということも多いので注意する必要がある。
種類[編集 | ソースを編集]
ワクチンはその性質により3種類に大分類される。予防接種のスケジュールを作る際にとても重要な要素なので概略だけでいいので丸暗記しましょう。
生ワクチン[編集 | ソースを編集]
生ワクチンとは、毒性を弱めた病原体で作られたワクチンのことである。
弱めたといっても生きた病原体そのものなので、希に病原体が元気になってしまい(毒性復帰という)、強い副反応を示すこともある。生ワクチンを接種することで、その病原体に感染し、軽く病気になることで免疫力を付ける。ウィルスや細菌などの病原体は体内に一定期間は生存し続けるため、通常は一度接種すると4週間~1ヶ月程度は他の予防接種を受けることができない。
製造工程は単純であり安価だが、いわゆる「ナマモノ」なので保存性が悪い。
- BCGワクチン - 結核
- 麻疹風疹混合ワクチン - 麻疹と風疹
- おたふくかぜワクチン - おたふくかぜ
- ポリオワクチン - ポリオ(急性灰白髄炎、小児麻痺)- 日本では2013年より不活化ワクチンの皮下注射に移行が進んでいる。
不活化ワクチン[編集 | ソースを編集]
不活化ワクチンとは、ホルマリンなどを用いた化学処理などにより、死んだ(が毒素は残ってる)病原体で作られたワクチンのことである。
生ワクチンと違い、病原体は死んでいるため、体内で増えず、毒性の持続力がないため、何回か繰り返して接種する必要がある。接種後1週間程度で他のワクチンを接種することができる。
製造工程は生ワクチンより複雑であるため価格も高いが、生ワクチンがナマモノなら不活化ワクチンは加工食品みたいなものなので保存性はよい(たとえるなら賞味期限が長い)。また病原体は死んでいるため副反応が出ても一過性で終わることが多い。
なお、稀に不活化が不完全で病原体が死んでいない、いわゆる不良品が混入していることもあり、それにより強い副反応を示す場合もある。このため不活化が不完全だと危険すぎるワクチンの開発では臨床試験の第一段階である「健康な患者への投与」が見送られることもある。たとえばHIVワクチンなどそれに該当する。
- DPTワクチン - 不活化ワクチン(百日咳)とトキソイド(ジフテリアと破傷風)を混ぜたハイブリッドなワクチン。
- インフルエンザワクチン - インフルエンザ
- Hibワクチン - Hibによる細菌性髄膜炎
- 肺炎球菌ワクチン
- ポリオワクチン - 不活化ポリオワクチンの皮下注射は生ワクチンの経口摂取に代わって登場した方式である。
トキソイド[編集 | ソースを編集]
トキソイドとは、病原体から毒素のみを取り出し、安全なレベルまで薄めて作られたワクチンのことである。
不活化ワクチンと同様に、毒性の持続力がないため、何回か繰り返して接種する必要がある。 接種後1週間程度で他のワクチンを接種することができる。