DICOMDIR
DICOMDIR(だいこむでぃーあいあーる)とは、各種DICOMファイルをCD-RやDVD-R、USBメモリ、MO、フロッピーディスク、磁気テープなどの外部記録媒体に保存する際に、OS固有のファイルシステムの階層構造(フォルダ・ディレクトリ)に依存せず、階層構造を実現するためのファイルである。
DICOMDIRの詳細は以下に記載されている。本項では噛み砕いて大雑把に記述する。
- 原書 - PS 3.11: Media Storage Application Profiles (PDF)
- 和訳 - PS 3.11-2008翻訳: 媒体保存応用プロファイル (PDF)
概要[編集 | ソースを編集]
DICOMDIRファイルはFAT32やNTFS、ZFSなどといったファイルシステムに依存せず、患者単位や検査単位などに分類した階層構造を維持するためのファイルである。
いまでこそWindowsやMac、Linuxなどでは階層構造をもったファイルシステムが当たり前のように使われているが、DICOMの策定が始まった当時の古いOSや、医療機器の内部で使われている組込向けOSではディレクトリの概念がないことも多く、それらからでも統一的にディレクトリやフォルダのような階層構造をアプリケーションレベルで実現にするためにDICOMDIRファイルは存在している。
また、DICOMDIRファイルには一般的なファイルシステムにおけるディレクトリ名やファイル名だけでは表しきれない患者情報や検査情報なども記録されており、簡易データベースの索引としての利用も想定されている。これによりDICOMDIRファイルを利用することでファイルシステム全体を走査して独自に索引を構築するような無駄なことをしなくてもよくなる。
ファイル名[編集 | ソースを編集]
DICOMDIRファイルのファイル名は名称そのまま半角大文字で「DICOMDIR」と決まっている。
ファイル形式[編集 | ソースを編集]
DICOMDIRファイルの内部形式(ファイルフォーマット)はDICOM画像などと同様にDICOMファイルに準拠した形式となっている。 DICOMタグが入れ子になって階層構造を表しているのが特徴である。 他のDICOMファイルと同様にdcmtkのdcmdumpなどで内容を確認できるので眺めてみると良い。