ローカライザー
ローカライザー (Localizer)とは、主にCTやMRIなどの断層撮影画像において、複数枚の断層画像のうち、現在表示している画像が、別方向から見た画像のどの位置なのかを確認するために描画される図形・線分のことである。
断層撮影では頭から足に向かって輪切りに撮影するのが一般的だが、人体を正面から見た画像(スカウト画像)を1枚用意し、そこへ位置を示す線を表示すれば、どの部分の輪切り画像なのかが素人目にも非常に解りやすいというもの。断層撮影で取得したDICOMファイルに撮影位置情報が含まれていれば簡単に算出できる。
ローカライザー表示用のスカウト画像は、よほど特殊な機種でもない限り、CTやMRIの操作コンソール上で生成することが可能である。また、DICOMビューアーをはじめとする医用画像ビューアーにMPR機能が備わっていれば、撮影時に用意しなくとも画像参照時にリアルタイムで作り出すことが可能である。
DICOMビューアーによっては、MPR機能で算出するのではなく、予め用意された人体イラスト画像で表現しているものもある。あくまでイラストであり実際の画像ではないため大雑把な位置表示になるが、2D MPRよりも方位表示や処理速度などの面で優れている。この機能はボリューム・レンダリングによるローカライザー生成が行えれば不要であるが、ボリューム・レンダリングは計算量も多く、古い電子カルテ端末などでも画像参照する場合は非現実的であり、また2D MPR機能ならまだしも、ボリューム・レンダリングや3D MPR機能を使えるDICOMビューアーともなると、その価格も一気に跳ね上がる傾向があるので、ある意味優れたトレードオフであると思う。
その表示方法は、1つの画像として扱うものから(MPRを用いるビューアーではこの方式が多い)、メイン画像の隅に小窓で控えめに表示するもの(おすすめ)まで様々である。
ローカライザーは玄人の読影医に言わせると、画像が見づらくなるだけでそんな物は不要だというが、今の御時世、読影医以外も画像を参照するので、何時でも誰でもローカライザーを見られるようにしておくべきだと思う。