「鑑別診断」の版間の差分
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2014年12月31日 (水) 09:13時点における最新版
鑑別診断(読み:かんべつしんだん)とは、病気を診断するにあたり、その症状や検査の結果から可能性がある複数の病気を比較しながら、合理的に特定する診断のことをいう。
概要[編集 | ソースを編集]
医師の診断の思考過程で常に行っていることである。 症状や検査の結果などを手がかりとするが、それらの情報が十分に得られない状況では、仮の診断の後に、情報の入手とともに修正していくこともある。
人類の間で一番頻繁にかかる急性の病気は「かぜ」もしくは「かぜ症候群」とされている。かぜはインフルエンザとは別で、大部分は型別で200種類以上が存在する起因ウイルスが鼻腔、咽頭、喉頭に感染して起きる病気で、気管支の範囲などまで広がることもある。ほぼ一週間以内に治るが、黄色の痰や分泌物が出たり、鼻腔や咽頭に見られるときは、細菌の感染を想定し、併発症、または化膿性扁桃炎や気管支肺炎などの別の疾患として扱われる。
「かぜは万病のもと」とは、かぜが重い病気に進む場合と、さまざまな病気もはじめはかぜと思われる症状で見過ごされるから注意するようにと解釈される。つまり、熱があればかぜ、その他の頭重や頭痛、咳や痰、さらには下痢や腹痛など、なに一つあればかぜと判断する傾向の人は実に多い。
かぜを例にしたがすべての疾患について鑑別診断は欠かせない。いま、医療に関わる記事は氾濫しており、病気の説明がなされている文面もよく見かけるが、簡略化して読みやすく表現されていても、また専門用語を交えて詳しく書かれていても、一般の読者にどの程度が理解され、関心をもたれたかは、実のところ気がかりなことである。解説などから、この病気だと決め込んでいる人の中には、それとは別の疾患である場合にあらわに疑心や不満を見せることがある。従って鑑別できる知識や経験のないままの自己診断は不安が募り、混乱することになりかねない。自覚症状の経過や聴き足りないことがらを補足し整理する問診や視診、聴診、触診で得た検査結果を参考に類似疾患を鑑別して、初めて確定診断が得られる。
受診する前に病気を調べるのも結構であるが、症状を自覚した日時を順序よく、さらに症状の強弱の推移をまとめることが肝要である。 [1]
症状別の鑑別診断の一覧[編集 | ソースを編集]
この項を利用する上での注意点[編集 | ソースを編集]
- 鑑別診断のリストは、目の前の患者の人種、年齢、性別、基礎疾患、職業、プロフィール、家族歴などさまざまな要因によって組み立てられるべきである。以下に示したものは一般的な例示にすぎず、実際に以下の症状をうったえて医師を受診したときに挙げられる鑑別診断リストは異なっているものであることが通常である。
- 以下の症状リストは、Review of Systems. "In" Bates' Guide to Physical Examination and History Taking 8th Ed. Lippincott Williams & Wilkins 2003. pp. 6-8.によっている。
全身症状[編集 | ソースを編集]
頻度の高い疾患 | まれな疾患 |
感染症 | 悪性リンパ腫 |
- 体重減少
頻度の高い疾患 | まれな疾患 |
糖尿病 |
- 易疲労感
- 鑑別診断リストを挙げることは不可能(とも言えないが膨大)。その他の病歴、身体所見による。
皮膚[編集 | ソースを編集]
顔、目、耳、鼻、咽頭(HEENT)[編集 | ソースを編集]
首[編集 | ソースを編集]
胸[編集 | ソースを編集]
呼吸器系[編集 | ソースを編集]
心血管系[編集 | ソースを編集]
- 胸痛
激しい胸痛をおこす疾患 | 中等度~軽度の胸痛を起こす疾患 | まれだが胸痛を起こすことがある疾患 |
心筋梗塞 肺血栓塞栓症 大動脈解離 気胸 食道破裂 |
肋軟骨炎 胸膜炎 食道炎 急性膵炎 |
肩関節炎 乳房病変 頚椎椎間板ヘルニア 胃潰瘍、十二指腸潰瘍 胆嚢炎 胆管炎 |
- 動悸
原因 |
発熱 不整脈 |
- 起きていないと息が苦しい。夜、突然息が苦しくなる。
原因 |
うっ血性心不全 |
腸管系[編集 | ソースを編集]
- 食べ物、飲み物の飲み込みが難しい
- 胸焼け
- 食欲不振
- 吐き気がする、吐いている
- 便に血が混じっている、便が黒い、便が海苔の佃煮のようだ
- 痔であろう
- 便秘
- 下痢
- 腹痛
- ある食べ物を食べると下痢してしまう、お腹が痛くなってしまう
- おならが出過ぎる
- 皮膚が黄色い
泌尿器系[編集 | ソースを編集]
生殖器系[編集 | ソースを編集]
- 子供が産まれない
男性[編集 | ソースを編集]
女性[編集 | ソースを編集]
末梢血管[編集 | ソースを編集]
- 歩いていると足が痛くなって立ち止まる。しばらく休むとまた歩けるが、また痛くなって立ち止まってしまう。
- 足が痛い
- 足の静脈がはれている
- 関節が痛い
- 背中が痛い
- 筋力が弱い・・・重いものをもてない、立ち上がれない
- 関節の動きに制限がある
神経系[編集 | ソースを編集]
血液系[編集 | ソースを編集]
- 血が出やすい
内分泌系[編集 | ソースを編集]
精神系[編集 | ソースを編集]
関連項目[編集 | ソースを編集]
参考文献[編集 | ソースを編集]
- ↑ 苫小牧医師会 とまみん健康講座 p.14 鑑別診断 医師 阿部守邦