「高精細モニター」の版間の差分
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つまり高精細モニターではコントラスト差が少ない部分や微細構造を一発表示できる。市販の安い8ビットディスプレイでも[[DICOM/ウィンドウレベル|ウィンドウレベル]]をギリギリまで調整すれば問題なく見えると言えば見えるが、ウィンドウレベル調整ミスによる見落としの原因になる可能性があり、かつ細かいウィンドウレベル調整は読影時間を浪費する無駄な作業時間でしかなく、その数秒~数十秒が生死を分ける可能性すらあるのでオススメできない。 | |||
何億円、何十億円もする製品ならまだしも、せいぜい何十万円の製品で、使い捨てではなく何年も使うことを考えたら、ここはケチるな。 | |||
==== 注意:専用ソフトが必要 ==== | |||
高精細モニターで8bitを超える高階調表示を利用するには、高階調表示に対応したソフトウェア([[DICOMビューア]])が必要である。高階調表示に対応していないDICOMビューアでは12bitの高精細モニターを用いても8bitまでしか表示されないので注意が必要である。 | |||
Windows XPまでにおいてはゲームなどで用いられるDirectXのフルスクリーン表示以外では8bitを越える階調を出せないので、Windows XPでも動く普通のウィンドウアプリケーションであれば対応していないと見て間違いない。Windowsにおいてタスクバーを覆い隠しているだけで「DirectXのフルスクリーン」でないインチキ製品も多数ある存在するので注意が必要である。 | |||
==== 注意:市販モニタはインチキ ==== | |||
量販店で売っている安い液晶ディスプレイの多くは各色8bitの約1677万色をうたっているが、実際は6bit+FRCによる疑似フルカラーという詐欺まがいな製品が多く、高階調表示に対応した高精細モニターで8bit表示するだけでも圧倒的な差になる。この差を10~12bit表示によるものだと誤解しないこと。 | |||
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ミドルレンジ機種では、モニターのフレーム部分にキャリブレーターを内蔵しており、ボタンひとつで全自動でキャリブレーションしてくれるものもある。一方でハイエンド機種の場合はこのような機能がないことが多い。 | |||
その代わり定期的にメーカーの保守要員(コンシェルジュ)が訪問し、手動でキャリブレーションしてくれる。 | |||
まさに高級機。 | |||
== 保証 == | == 保証 == |
2011年7月15日 (金) 11:06時点における版
高精細モニターとは、医用画像を表示することに特化した高精細(高解像度)、かつ高画質、かつサポート・保証体制の整ったモニター(ディスプレイ)のことである。プライスレス。
普通のテレビやPC用ディスプレイは横長だが、人体は縦長なので縦にチルト(90度回転)するのが一般的である。なお動物病院や電子カルテ兼用などは横長の方が適している。
基本的には読影用のモニターのことであるが、近年では病院情報システムや電子カルテなどと連携したPACSが普及したことにより、放射線科の読影室以外でも医用画像を見るようになったため、量販店で市販されている21~24インチ程度のデザイナ向けのハイエンド液晶ディスプレイにパネル保証等を付けた電子カルテ向け高精細モニターや、50インチを越える大型の手術室向け高精細モニターなる製品も登場し始めている。
解像度
読影用の高精細モニターは、20~21インチほどの大きさでありながら解像度は300~500万画素(5メガピクセル,2048x2560)と高密度で、かつモノクロ(グレイスケール)であることが多い。なお「これ以上の解像度なら高精細モニター」という決まった解像度があるわけではない。
またマンモグラフィーなどの超高解像度が求められる分野向けにサブピクセルを用いて1500万画素(15MsP、Mega sub Pixel)を越える解像度を実現した製品も登場している。なお、サブピクセル表示を利用するにはサブピクセル表示に対応したソフトウェア(DICOMビューア)が必要である。サブピクセル表示に対応していないDICOMビューアでは15MsPの高精細モニターを用いても5MP表示となる、または最悪の場合は画面が映らないこともあるので注意が必要である。たとえばOsiriXは標準でサブピクセル表示に対応していないが、プラグインを入れればサブピクセル表示が出来る。
画質
高精細モニターでは、DICOM規格の14章(DICOM3.0 Part14)で規定されている「Grayscale Standard Display Function(グレイスケール標準表示関数)」に準拠しているのが一般的である。電子カルテ向けはともかく、読影向けでは準拠していない製品など見たことがない。
高階調
高精細モニターでは階調も高い。家電量販店で売っているような液晶ディスプレイの場合はグレースケール表示256階調であるのに対して、高精細モニターではグレースケール表示において1024階調(10bit)から4096階調(12bit)をサポートしているという製品が多い。
つまり高精細モニターではコントラスト差が少ない部分や微細構造を一発表示できる。市販の安い8ビットディスプレイでもウィンドウレベルをギリギリまで調整すれば問題なく見えると言えば見えるが、ウィンドウレベル調整ミスによる見落としの原因になる可能性があり、かつ細かいウィンドウレベル調整は読影時間を浪費する無駄な作業時間でしかなく、その数秒~数十秒が生死を分ける可能性すらあるのでオススメできない。
何億円、何十億円もする製品ならまだしも、せいぜい何十万円の製品で、使い捨てではなく何年も使うことを考えたら、ここはケチるな。
注意:専用ソフトが必要
高精細モニターで8bitを超える高階調表示を利用するには、高階調表示に対応したソフトウェア(DICOMビューア)が必要である。高階調表示に対応していないDICOMビューアでは12bitの高精細モニターを用いても8bitまでしか表示されないので注意が必要である。
Windows XPまでにおいてはゲームなどで用いられるDirectXのフルスクリーン表示以外では8bitを越える階調を出せないので、Windows XPでも動く普通のウィンドウアプリケーションであれば対応していないと見て間違いない。Windowsにおいてタスクバーを覆い隠しているだけで「DirectXのフルスクリーン」でないインチキ製品も多数ある存在するので注意が必要である。
注意:市販モニタはインチキ
量販店で売っている安い液晶ディスプレイの多くは各色8bitの約1677万色をうたっているが、実際は6bit+FRCによる疑似フルカラーという詐欺まがいな製品が多く、高階調表示に対応した高精細モニターで8bit表示するだけでも圧倒的な差になる。この差を10~12bit表示によるものだと誤解しないこと。
キャリブレーション
ミドルレンジ機種では、モニターのフレーム部分にキャリブレーターを内蔵しており、ボタンひとつで全自動でキャリブレーションしてくれるものもある。一方でハイエンド機種の場合はこのような機能がないことが多い。
その代わり定期的にメーカーの保守要員(コンシェルジュ)が訪問し、手動でキャリブレーションしてくれる。 まさに高級機。
保証
高精細モニターは製品保証期間が5年であるのが一般的である。これは薬事法で定める医療機器の耐用年数が5年であるためと思われる。
また、多くのメーカーはミドルレンジ以上の製品向けに稼働時間保証というサービスを提供している。これは高精細モニターの内部に稼働時間を記録するタイマーが搭載した製品において、稼働時間が一定時超えると問答無用で新品と交換になるサービスである。
さらに、一部メーカーではハイエンド製品向けに輝度保証というサービスを提供している。これは定期的にメーカーの保守要員が訪問し、キャリブレーションしてくれるサービスの一環として、輝度が一定以上低下したことが検出されると問答無用で新品と交換になるサービスである。
その他
高精細モニターは、PACSに組み込まれれば医療機器であり、単品ではPC部品扱いで医療機器ではないという微妙な位置づけとなっている。 PACSメーカーが高精細モニター込みのシステムを作れば、それは薬事認証を受けられるが、ディスプレイメーカー単体では薬事認証を受けれないため、薬事認証を受けた高精細モニターは皆無である。
主なメーカー
- ナナオ - 医療現場では右見ても左見てもナナオってくらい圧倒的である。無名PACSメーカーでも相手にしてくれるというのが大きいと言われている。
- WIDE - フィリップスあたりがよく持ってくる。
- TOTOKU (東京特殊電線) - サブピクセル製品を真っ先に出したが。