「フィルムデジタイザー」の版間の差分
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医用フィルムデジタイザーは大雑把にいえば各種[[X線撮影]]で得られたアナログな写真フィルムを[[DICOMファイル]]に変換する装置である。 | |||
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医用フィルムデジタイザーはハードウェア的にはデジタルカメラの普及により最近では見かけなくなったが、かつて広く一般市販されていたフィルムスキャナーを巨大化したもので、医療現場で広く使われているA3サイズ(297mm×420mm)とA2サイズ(420×594mm)の中間くらいのサイズである[[半切]]サイズ(356mm×432mm)の写真フィルムを取り込めるというものである。 | |||
なお、スキャナーとひとことで言っても医用フィルムデジタイザーでは[[検査]]単位や[[シリーズ]]単位の複数枚の写真フィルムを連続して取り込めるようにオートシートフィーダーを搭載している製品が一般的であり、いわゆるフラットベッドスキャナーではなく、最近流行の「書籍の自炊」などで使われているドキュメントスキャナーとほぼ同じような構造の製品が多い。 | |||
=== ソフトウェア === | |||
医用フィルムデジタイザーは取り込みに使われるソフトウェアも若干特殊であり、世間一般ではまず見かけない各種[[DICOM規格]]に対応している製品が一般的である。まず[[DICOMファイル]]として出力できなければ論外であるのはもちろんのこと、その[[DICOMファイル]]中に含まれる[[DICOMタグ]]([[患者]]名などの付随情報)を[[シリーズ]]単位で一気に編集できないと不便なのは言うまでもない。また[[DICOM通信]]を用いて[[DICOMサーバー]]に送信保管できる機能も必須であると言える。 | |||
ちなみにハードウェア的には透過原稿ユニットを装着できるA3サイズくらいの市販フラットベッドスキャナーでフィルムデジタイザーの代用することも出来なくはない。この場合、[[ | === モダリティコード === | ||
医用フィルムデジタイザーで取り込んだ[[DICOMファイル]]に記載される[[モダリティコード]]は一般的に[[SC]]([[セカンダリキャプチャー]])([[SC]])、または[[OT]](その他)が用いられている。 | |||
ただし、製品によっては[[モダリティコード]]を自由に変更できるものもあるため、[[PACS]]における検索性を重視して、強引に[[CR]]([[X線一般撮影]])や[[CT]]([[コンピューター断層撮影]])などとしている[[医療機関]]なども少なからず実在している。 | |||
=== 代用 === | |||
ちなみにハードウェア的には透過原稿ユニットを装着できるA3サイズくらいの市販フラットベッドスキャナーでフィルムデジタイザーの代用することも出来なくはない。この場合、[[半切]]サイズの方がA3サイズより若干大きく、取り込み時に端が切れることになるが、撮影時に端ギリギリまで使って撮影していることなど希であり、あまり問題になることはない。どちらかというと、この手製の手法では[[DICOM]]関連のソフトウェアをどうするかという点の方と、非常に手間がかかるという点の方が問題になると思われる。 | |||
== 主な製品 == | == 主な製品 == | ||
日本バイナリー株式会社 X線フィルムデジタイザ | |||
[http://www.nihonbinary.co.jp/Products/Medical/MedicalImaging/FilmDigitizer/index.html] | |||
== 関連項目 == | == 関連項目 == |
2013年4月30日 (火) 19:15時点における最新版
フィルムデジタイザー(film digitizer)とは、アナログな写真フィルムをデジタル画像(≒DICOMファイル)として取り込む機能などを有した業務用のイメージスキャナーのことである。
単に「デジタイザー」と呼ばれることが多い。
概要[編集 | ソースを編集]
医用フィルムデジタイザーは大雑把にいえば各種X線撮影で得られたアナログな写真フィルムをDICOMファイルに変換する装置である。
ハードウェア[編集 | ソースを編集]
医用フィルムデジタイザーはハードウェア的にはデジタルカメラの普及により最近では見かけなくなったが、かつて広く一般市販されていたフィルムスキャナーを巨大化したもので、医療現場で広く使われているA3サイズ(297mm×420mm)とA2サイズ(420×594mm)の中間くらいのサイズである半切サイズ(356mm×432mm)の写真フィルムを取り込めるというものである。
なお、スキャナーとひとことで言っても医用フィルムデジタイザーでは検査単位やシリーズ単位の複数枚の写真フィルムを連続して取り込めるようにオートシートフィーダーを搭載している製品が一般的であり、いわゆるフラットベッドスキャナーではなく、最近流行の「書籍の自炊」などで使われているドキュメントスキャナーとほぼ同じような構造の製品が多い。
ソフトウェア[編集 | ソースを編集]
医用フィルムデジタイザーは取り込みに使われるソフトウェアも若干特殊であり、世間一般ではまず見かけない各種DICOM規格に対応している製品が一般的である。まずDICOMファイルとして出力できなければ論外であるのはもちろんのこと、そのDICOMファイル中に含まれるDICOMタグ(患者名などの付随情報)をシリーズ単位で一気に編集できないと不便なのは言うまでもない。またDICOM通信を用いてDICOMサーバーに送信保管できる機能も必須であると言える。
モダリティコード[編集 | ソースを編集]
医用フィルムデジタイザーで取り込んだDICOMファイルに記載されるモダリティコードは一般的にSC(セカンダリキャプチャー)(SC)、またはOT(その他)が用いられている。
ただし、製品によってはモダリティコードを自由に変更できるものもあるため、PACSにおける検索性を重視して、強引にCR(X線一般撮影)やCT(コンピューター断層撮影)などとしている医療機関なども少なからず実在している。
代用[編集 | ソースを編集]
ちなみにハードウェア的には透過原稿ユニットを装着できるA3サイズくらいの市販フラットベッドスキャナーでフィルムデジタイザーの代用することも出来なくはない。この場合、半切サイズの方がA3サイズより若干大きく、取り込み時に端が切れることになるが、撮影時に端ギリギリまで使って撮影していることなど希であり、あまり問題になることはない。どちらかというと、この手製の手法ではDICOM関連のソフトウェアをどうするかという点の方と、非常に手間がかかるという点の方が問題になると思われる。
主な製品[編集 | ソースを編集]
日本バイナリー株式会社 X線フィルムデジタイザ [1]