時定数

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時定数(time constant)とは、ある物理量が初期値から最終値までの変化量のうち、一定の値にまで変化するのに要する時間のことである。

概要[編集 | ソースを編集]

大雑把にいうと、ある物質に、ある作用が働いた際に、その緩和時間(応答速度)はほぼ決まった値であり、それらを定数化しておいた物のことである。 コンピューターの世界でいうルックアップテーブルの概念に近い。

例えば電子回路であれば、回路に電気を流し始めると、最初のうちは電気の流れが乱れているが、時間が経つにつれ徐々に流れが安定する。この流し始めから安定するまでの時間のことを時定数という。この際に小中学校の教科書に出てくるような「なお摩擦係数はゼロとする」ような場合を除き、電気が流れる物質などの違いにより時定数(時間)は変わってくる。

また、電気に限った話ではなく、物質量を持つものであれば全てに同様の緩和現象があり、その時間は全て時定数である。

たとえば、主に医療で使われるMRIでは、細胞(を構成する物質)ごとにRFパルス(電波)を当てた際の時定数(緩和時間)が違うという特性を利用して画像化を行っている。

最近流行のサーベイメーターと呼ばれる放射線測定器の中には時定数を設定することができる機種も存在する。

日本語での読み方[編集 | ソースを編集]

時定数の日本語の読み方は「ときじょうすう」であるとJISで定められているが、現実には「じていすう」と呼ばれることの方が多い。なお「ときていすう」とする読む人もいる。

なお、2012年7月現在、MS-IMEやATOKなどの代表的な日本語入力システムでは「じていすう」が強い(一発変換できる)ようである。

記号[編集 | ソースを編集]

時定数を表す記号としてはギリシャ文字の「τ(たう)」が用いられる。

なお、近年では紙面よりもデジタルデータが普及した現在では入力のしやすさからか、「τ(たう)」は便宜上アルファベットの「T(てぃー)」で代用されることが多い。たとえば核磁気共鳴断層撮影における「T1強調画像」や「T2強調画像」などの「T1」や「T2」がそれにあたり、「てぃーわん」「てぃーつー」などと呼ばれる。

関連項目[編集 | ソースを編集]

参考文献[編集 | ソースを編集]