ニュース:視線を合わせない自閉症の特徴、乳幼児期から確認
【2013年11月10日】 他人と視線を合わせないという自閉症の特徴は、乳幼児期の段階から確認できるかもしれないとする米研究チームの論文が、2013年11月6日付の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。今回の研究では生後2か月という早期からこの特徴が確認されたという。 [1] [2]
概要[編集 | ソースを編集]
しかし、これまでの研究から早期の行動療法によって自閉症の子どもたちの学習能力やコミュニケーション能力、社会性などが改善向上することが分かっている。つまり自閉症を早期に発見し、家族はもとより保育所や幼稚園などの協力も得ながら、地道な努力の積み重ねで子供の成長を促進するのが唯一の解決策であるとされる。
自閉症の特徴とされる様々な症状があるが、その中でも目を合わせることを避ける傾向は、長らく軽度から重度の患者まで広く見受けられる自閉症の特徴の一つと認識されてきた。しかしながら、これを早期診断の手段とする可能性は追究されてこなかった。
研究チームは視線追跡技術を用いて、乳幼児110人を誕生から2歳になるまで追跡調査を実施、保育士に扮した俳優がゲームをしながら話しかけるビデオを見せて、視聴している乳幼児たちが俳優の目を見ているかどうかを観察した。その結果、13人が後に自閉症スペクトラム障害(ASD)と診断された。
ASDと診断された子どもたちについて、論文の共著者で米エモリー大学(Emory University)医学部のウォーレン・ジョーンズ(Warren Jones)氏は「2歳になるまでに母親の目を見る度合いが着実に減っていった」と説明した。この兆候は生後6か月以内でも確認され、生後2か月でみられた乳児もいたという。
今回の研究では、視線を避ける傾向が人間の発達の早い段階で表れるということに加え、ASDの子どもは最初から他人と目を合わせないのではなく、徐々に視線を合わせる回数が減っていくことも突き止めた。
「この2つの要素により、将来的にASDの治療は、初期段階から介入する方法へと劇的に変わる可能性がある」と、米マーカス自閉症センター(Marcus Autism Centre)の所長で論文共著者のアミ・クリン(Ami Klin)氏は語る。
世界保健機関(World Health Organisation、WHO)の統計によると、ASDと診断される子どもは160人に1人の割合だという。
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関連項目[編集 | ソースを編集]
参考文献[編集 | ソースを編集]
- ↑ Autism symptoms seen in babies
- ↑ Nature Year published: (2013) DOI: doi:10.1038/nature12715 Received 28 January 2013 Accepted 24 September 2013 Published online 06 November 2013 Attention to eyes is present but in decline in 2?6-month-old infants later diagnosed with autism
- ↑ 視線を合わせない自閉症の特徴、乳幼児期から確認