ウィンドウレベル変換
ウィンドウレベル変換(Window/Level, リニア変換とも言う)とは、1ピクセルの階調表現が8ビット(一般的に10~16ビット)を越えるデジタル医用画像(≒DICOM画像)から、中心点(Window CenterまたはLevel)と、抽出幅(Window WidthまたはWindow)を決め、その範囲内のピクセルデータを線形的に読影端末(≒パソコン)のディスプレイ(≒高精細モニター)で表示できる階調表現(主に8ビット、高精細モニター向けで10~12ビットというのもある)に丸め込む変換処理のことである。
語源[編集 | ソースを編集]
ウィンドウレベル変換における幅と中心点はWindow WidthやWindow Center(Window Level)などと言われるが、正確にはWindow(幅)とLevel(中心点)であり、これが語源でもある。多くのDICOMビューアーなどではアノテーションなどでWWやWC、WLなどと省略表記しているがこれは間違いである。
だが、現実問題として語源がなんであれ「W」や「L」とアルファベット1文字だと意味不明すぎるので、やはり多くのDICOMビューアーが採用しているWWやWC、WLという表記が現実的である。
なお、WindowやLevelといった単語は主にSIGGRAPH[1]の論文などで用いられるコンピューターグラフィックス用語(CG用語)であり、医療従事者を含む専門外の人間には解りにくく(例えば「ウィンドウ」というとMacやWindowsなどのGUI OSのウィンドウを想像すると思うがCG用語ではまったくの別物)、どっちかと言うとWidthやCenterの方が解りやすいと思う。近年ではCGの世界でも「ウィンドウ(やビューポート)」という単語は他のコンピューター用語でも多用され非常に紛らわしいため、現在では「ワールド座標」や「スクリーン座標」などと呼ばれるのが一般的となっており、CG用語としての「ウィンドウ」とういう単語はほぼ使われなくなっている。余談ではあるが、8ビット時代に一世を風靡したプログラミング言語のBASICではWINDOW命令が搭載されていた。
特徴[編集 | ソースを編集]
ウィンドウレベル変換は、PCではRGB各色8ビット(カラー表示なら16777216色だがグレイスケール表示だと256色)が一般的であり、そのままではDICOMビューアーにおいて写真フィルムのような高階調のグレースケール画像を表示(表現)できないという欠点から生まれた技法だが、思わぬ副作用として中心点(Window Center,またはLevel)と抽出幅(Window WidthまたはWindow)を変えることで「見たい部分のみを抽出できる」という画期的な利点を生み出した。
例えばCTであれば、DICOM画像の各ピクセルの値(CT値)は、水分を0、空気を-1000、緻密骨を+1000という具合になっているので、見たい組織に近い値を選択することで、その組織のみを表示することができる。
各種条件[編集 | ソースを編集]
特定組織を抽出するためのWindow WidthやWindow Centerの値はほぼ決まっているが、モダリティの個体差や撮影環境により微妙に誤差が出るので、最適値は現場で微調整すること。
もっといっぱいある。