DICOM/Value Representation/PN

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PN(語源:Parson Name)とは、DICOMタグのうちデータ部分が氏名であることを表すVR(データ型)である。

概要[編集 | ソースを編集]

PAは氏名を表す文字列である。

エレメント[編集 | ソースを編集]

日本でいえば「姓」と「名」の間にスペースをいれることが多いが、DICOMではスペースではなくエレメントの区切り文字に「^」(文字コード0x5E)を使う。 たとえば「山本 太郎」であれば「山本^太郎」となる。

1グループは最大5エレメントまで許されている これはDICOM発祥の地である米国の姓名が以下のような感じだからである。 各要素の出現順序は以下のように定められている。

  • family name (姓)
  • given name (名)
  • middle name
  • name prefix (名前接頭辞)
  • name suffix (名前接尾辞)

上記は日本ではミドルネームもミスターやミス、ミセス、サーなどの接頭辞や接尾辞も使わない。そのため以下のような形式になっていることが多い。

また、獣医学の世界では5個をうまく使って飼い主の名前と伴侶動物の名前の両方を格納していることが多い。ただし標準と呼べるような形式はなく施設ごとにバラバラである。

グループ[編集 | ソースを編集]

上記のエレメント群は複数あっても良いことになっている。 いわゆる配列である。 ただし、このVRだけ特殊で文字列の区切り文字に「=」(文字コード0x3H)を使う(他のタグの区切り文字はバックスラッシュ(文字コード0x5C)である)。

たとえば日本人の名前であれば以下のような感じになる。

  • YAMAMOTO^TARO=ヤマモト^タロウ=山本^太郎

この出現順序も決まっている。 大雑把にいえばシングルバイト文字を優先しマルチバイト文字が後にくる。つまりバイト数の少ない方から記述する。そして表意文字表現が表音文字表現より優先される。

  • 単一バイト文字表現 - 日本語でいえばローマ字
  • 表意文字表現 - 日本語でいえば漢字
  • 表音文字表現 - 日本語でいえばカナ

ここで注意が必要なのは日本で一般的に使われている文字コード(0008,0005)はISO 2022 IR 13とISO 2022 IR 87(ローマ字とJIS半角カナとJIS漢字)であるという点で、日本語の表音文字表現(JIS半角カナ)が1バイトであるため表意文字表現(漢字)より優先されるという点である。よって日本語の場合は以下のようになる。

  • 単一バイト文字表現 - ローマ字(1バイト文字)
  • 表音文字表現 - 半角カナ(1バイト文字)
  • 表意文字表現 - 全角漢字(2バイト文字)

文字コード(0008,0005)にISO_IR 192(UTF-8)を使う場合は表音文字のカタカナが全角カナとなるため本来の記述方法となる。 つまりカタカナが半角のときは漢字より前、カタカナが全角の場合は漢字より後ろとなる。

厳密にはDICOM規格上、第一要素は単一バイト文字でなければならないというルールがある。 単一バイト文字としては、DICOMデフォルトのIR6で表現できる半角英数か、IR13で表現できる半角カナがある。 IR13を宣言した状態であれば下記のような記述が可能である。

  • ヤマモト^タロウ=山本^太郎=やまもと^たろう

これを無視し下記のような記述をした場合、上記のルールに違反したとみなされる。

  • 山本^太郎=やまもと^たろう

なお、JIS漢字(ISO 2022 IR 87)は半角カナは含まれていない点に注意する必要がある。

その他[編集 | ソースを編集]

PNのデータ長は各グループで64文字となっている。 64文字であり64バイトではない点に注意する必要がある。 また、全体のデータ長ではなく、各グループのデータ長である点にも注意する必要がある。

主なPNを用いているDICOMタグ[編集 | ソースを編集]

その他[編集 | ソースを編集]

VRの詳細はDICOMの規格書の5巻6章2節(PS3.5 6.2)を参照。

関連項目[編集 | ソースを編集]

参考文献[編集 | ソースを編集]