「エボラ出血熱」の版間の差分

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==主な治療薬==
==主な治療薬==
2014年8月時点で[[エボラ出血熱]]の[[治療薬]]として期待されているものは以下の5つである。
2014年8月時点でエボラ出血熱の[[治療薬]]として期待されているものは以下の5つである。
エボラ出血熱用として完成したものは何一つない。
すべて研究中のものでありエボラ出血熱用として完成したものは何一つない。


===T-705(ファビピラビル)===
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[[ファビピラビル]]は[[インフルエンザ]]の[[治療薬]]として、日本で開発され、2014年3月に日本で世界に先駆け承認されたものである。
 
[[ファビピラビル]]は[[インフルエンザ]]の[[治療薬]]であるが、そのメカニズムからすると[[RNAウイルス]]全般に効くのではないかと一部で囁かれはじめ、実際に米国の研究機関などが[[マウス]]を使った実験を行ったところ[[エボラウイルス]]を排除する効果が確認されており、[[エボラ出血熱]]にも効果がある可能性が高いとして世界中が注目している。
 
海外では[[臨床試験]]前であり2014年8月時点では最後発にあたるが、想像以上の[[エボラ出血熱]]の[[アウトブレイク]]と、[[インフルエンザ]]での実績(すでに安全性が確認されていること)から米国などでは特例的に承認を早めようという動きがある。
 
===TKM-Ebola===
[[TKM-Ebola]]は、2014年8月現在、[[フェーズ1]]を中断している。
 
===BCX4430===
[[BCX4430]]は、2014年8月現在、[[前臨床]]中である。
 
===MB-003(ZMapp)===
[[MB-003]]([[ZMapp]])は、米カリフォルニア州の創薬ベンチャー企業[[マップ・バイオファーマシューティカル]]が開発中の[[タバコ]]の葉を原料とする[[抗体カクテル]]である。
米国立衛生研究所(NIH)や米国防高等研究計画局(DARPA)、米国防脅威削減局(DTRA)が資金援助を行っている。
 
2014年8月現在、[[フェーズ1]]準備中である。
 
2014年のエボラ出血熱の[[アウトブレイク]]に際して、現地にて[[治療]]にあたり自らも[[感染]]してしまった米国人[[医師]]2名に[[投与]]して話題となった。
<ref name=CNN4Aug14>{{cite web|title=Experimental drug likely saved Ebola patients|authors=Dr. Sanjay Gupta and Danielle Dellorto|date=August 4, 2014|publisher=CNN|url=http://www.cnn.com/2014/08/04/health/experimental-ebola-serum/index.html}}</ref>
 
===AVI-7537===
[[AVI-7537]]は、2014年8月現在、[[フェーズ1]]実施中である。


==主なタイムライン==
==主なタイムライン==

2014年10月27日 (月) 15:55時点における最新版

Ebola virus disease
分類及び外部参照情報
1976 photograph of two nurses standing in front of Mayinga N., a person with Ebola virus disease; she died only a few days later due to severe internal hemorrhaging.
ICD-10 A98.4
ICD-9 065.8
DiseasesDB 18043
MedlinePlus 001339
eMedicine med/626
MeSH D019142

エボラ出血熱(読み:エボラしゅっけつねつ、英語:Ebola hemorrhagic fever、Ebola virus disease - EVD[1])とは、フィロウイルス科エボラウイルス属ウイルス病原体とする急性ウイルス性感染症である。

概要[編集 | ソースを編集]

詳細は「エボラウイルス属」を参照

エボラ出血熱は出血熱の一つでありヒトにも感染する。 エボラ出血熱の原因となるエボラウイルスには様々な種類があり、中には50-90%という致死率を持つ種類も存在する。 エボラウイルスは大きさが80 - 800nmの細長いRNAウイルスであり、ひも状、U字型、ぜんまい型など形は決まっておらず多種多様である。

体細胞の構成要素であるタンパク質を分解することでほぼ最悪と言える毒性を発揮し、体内に数個のエボラウィルスが侵入しただけでも容易に発症する[2]。そのためエボラウィルスはWHOリスクグループ4病原体に指定されており、バイオセーフティーレベルは最高度の「BSL4」が要求される。ちなみに日本にはP4施設がないため疑わしい患者が発見されても手の打ちようがない。

死者数[編集 | ソースを編集]

「エボラ出血熱」の恐怖が知られるようになってから30年以上が経つが、これまでの死者数は1,590人(2012年12月現在)で、これは今日でも年間10万~数10万人の死者を出しているマラリアコレラと比較しても格段に少ない[3]

これはエボラ出血熱の症状の激しさや致死率の高さの一方で、「空気感染はせず、他人に感染する前に感染者がに至るため、蔓延しにくい」という側面もあり、その恐怖は映画や小説で描かれたイメージや、「致死率90%」という数字により誇張されているとの指摘もある[4]

しかし、決定的証拠は無く、関与の程度も不明なものの、ヒトの間で空気感染する可能性は強く疑われている[2]

発見[編集 | ソースを編集]

初めてこのウイルスが発見されたのは1976年6月。スーダン(現:南スーダン)のヌザラ (Nzara) という町で、倉庫番を仕事にしている男性が急に39度の高熱腹部痛みを感じて入院し、その後に消化器から激しく出血して死亡した。また、その直後にその男性の近くにいた2人も同様に発症し、それを発端に血液医療器具を通して感染が一気に広がった。最終的にヌザラでの被害は、感染者数284人、死亡者数151人と言うものだった。

その後、エボラ出血熱はアフリカ大陸で10回、突発的に発生・流行し、感染したときの致死率は50 - 90%と非常に高い[5]

名称の由来[編集 | ソースを編集]

「エボラ」という病名は、初めてこのウイルスが発見された発病者の地域の近くに流れる「エボラ川」という河川の名称から命名された。

主な治療薬[編集 | ソースを編集]

2014年8月時点でエボラ出血熱の治療薬として期待されているものは以下の5つである。 すべて研究中のものでありエボラ出血熱用として完成したものは何一つない。

エボラ出血熱/主な治療薬」に移動。

主なタイムライン[編集 | ソースを編集]

http://news.mynavi.jp/news/2014/08/11/283/

関連項目[編集 | ソースを編集]

参考文献[編集 | ソースを編集]

  1. …必ずしも出血症状を伴うわけではないことなどから…呼称されることが多い。西アフリカ諸国におけるエボラ出血熱の流行に関するリスクアセスメント 国立感染症研究所 2014年8月8日
  2. 2.0 2.1 Ebola virus - Pathogen Safety Data Sheets カナダ保健省
  3. Ebola virus disease” (英語). Media centre Fact sheets. WHO (2014年4月). 2014年6月19日閲覧。
  4. 殺人ウイルス「エボラ」、映画や小説があおった恐怖の歴史 AFPBB News 2008年4月3日
  5. Diane Bennett; David Brown (1997年). “Ebola virus” (英語). British Medical Journal. 2009年2月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年6月19日閲覧。