DICOMビューアー
DICOMビューアー (DICOM Viewer)とは、DICOM規格に準拠した医用画像を見ることに特化した画像ビューアソフトのことである。
DICOMビューアは大きくわけて、LANなどのオンラインでの利用を想定したDICOMサーバーと通信するものと、CDやDVDなどにDICOMファイルを書き込み、オフラインでの利用を想定したものがある。
近年の状況
近年では、医用画像サーバーは他社との連携のためにDICOM規格による入出力をサポートするものの、そのサーバーを利用する医用画像ビューアはDICOM規格を用いず、独自規格を採用するものが増加傾向にある。
これはDICOM規格の複雑さと無駄な処理の多さによるシステムへの負荷や、DICOMのみではサポートできない機能性によるところが大きい。
ウィンドウニング
医用画像は、PCで一般的なRGB各色8ビットではなく、グレースケール(モノクローム)10~16ビットとなっており、そのままでは液晶ディスプレイなどで表示できないため、ウインドニング(Windowing)と呼ばれる変換処理を行えるようになっている。
ウィンドウレベル変換
ウィンドウレベル変換(リニア変換)とは、10~16ビットうち、中心点(Window Center)と、抽出幅(Window Width)を決め、その範囲内のピクセルデータを線形的に8ビットに丸め込む変換処理のことである。
PCでは10~16ビットのグレースケール画像をそのまま表示できないという欠点から生まれた技法だが、思わぬ副作用として中心点(Window Center)と抽出幅(Window Width)を変えることで「見たい部分のみを抽出できる」という画期的な利点を生み出した。
たとえばCTであれば、DICOM画像の各ピクセルの値(CT値)は、水分を0、空気を-1000、緻密骨を+1000という具合になっているので、見たい組織に近い値を選択すればそれでが映し出される。
各種条件
もっといっぱいある。 Window WidthやWindow Centerの値はほぼ決まっているが、モダリティや撮影したときの環境で微妙に誤差が出るので、最適値は現場で微調整すること。
その他の変換法
各メーカー独自にガンマカーブなどの曲線的な変換を行う機能などをを搭載している場合がある。
たとえば富士フィルムの製品は10ビットなのに他社の12ビット製品並みに綺麗に補正するとか、秘密の変換機能が付いている。
ただし、そういう秘密の変換機能を持ったDICOMビューアを導入してしまうと、後々他社のDICOMビューアやPACSに乗り換えた際に、当然秘密の変換は行われないので、過去データがクソ汚く写ったりし、移行不能に陥り、最初は安かったのにシステム更新の際にメーカーに足元見られてボッタくられる可能性があるので要注意。
フィリップスが売っていたiSiteみたいに変換方法を公開(ようするに特許ライセンス販売)している場合もある。
再構成
再構成とは、複数枚の画像データから、新たな画像データを生成することである。
たとえばCTで撮影した1000枚の2D画像(ピクセル)を積み上げ、ペラペラな紙もアホみたいに重ねれば厚みがでるという力技で3D画像にしてしまうMPRやボリューム・レンダリングなどという手法がある。
ほかにも再構成方法は色々ある。
主なDICOMビューアー
- OsiriX - Mac用のオープンソースで開発が行われているDIOCMビューアー
だれか商用製品も書いて