ファーミング
ナビゲーションに移動
検索に移動
ファーミング(英語:pharming)とは、薬学を意味する「ファーマシ(pharmacy)」と、農業を意味する「ファーミング(farming)」を組み合わせた造語で、医薬品を作る目的で遺伝子組換え作物を製造・栽培することである。
概要
遺伝子組換え作物というとその種の中でより強い種を作るような操作が一般的である。
一方、ファーミングの場合はマウス抗体やキメラ抗体、ヒト抗体などを植物に組込み増殖させるなどといった事が行われる。大雑把に言えば医薬品の植物化であり、光合成により自己増殖する薬である。農業技術による生産は従来の製薬技術より遙かに安価に製造できるため、発展途上諸国での医薬品の入手状況を劇的に改善する可能性を持っていると言われている。植物由来ワクチンであれば1ヘクタールあたり400万人分ほど製造でき、価格も1/100程度に抑えられると試算されている。
ざっくり論文を検索した感じではヒト免疫不全ウイルス(HIV)や結核の特効薬を作物化しようという研究が多い。2014年のエボラ出血熱のアウトブレイクに際して一躍有名になったZMappもファーミングを利用しているとされる。
ベースとなる植物はタバコとトウモロコシが二大勢力のようだ。
批判
遺伝子組み換え作物に反対する活動家たちは、アフリカでファーミングが行なわれることに懸念を表明している。CSIRが南アフリカでのファーミング実地試験を提案したと地元紙が報じたところ、地元の活動家たちはこの計画について、南アフリカが危険な技術の廃棄場にされると非難した。つまり、ヨーロッパで実地試験を実施すれば当然のように激しい抗議行動が起こるので南アフリカになったというのだ。