アウトブレイク
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アウトブレイク(英語:outbreak)とは、ある限定された領域の中において感染症にかかったヒトや生物の小集団、および小集団が発生することである。主に獣医学の一分野である疫学で使われる用語である。院内感染もアウトブレイクの一種である。
概要
アウトブレイクはある感染症にかかった集団を地理的に隔離するための単位である。研究室でバイオハザードが発生した場合に施設封鎖をする、市町村単位で感染症が発生した場合に道路封鎖をするなどといったことが行われる。口蹄疫などでは感染の拡大を防ぐため殺処分が行われる。感染が拡大し隔離しきれない状況をパンデミックという。
日本においては2010年に宮崎県で発生したウシの口蹄疫が有名である。
また、日本では狂犬病のアウトブレイクを防ぐため、保健所による積極的な野良犬の保護および殺処分を行っている。ただし狂犬病はその名称からイヌのみに感染すると思われているが、ヒトやネコ、ネズミにも感染するため、仮に日本で狂犬病によるアウトブレイクが発生するとすれば野良猫によるものだろうと予想する声もある。
調査
感染症のアウトブレイクの調査を行う際には、数段階の確認・判定を経て、疫学的宣言が発せられる。アメリカ疾病予防管理センター (CDC) は以下のような作業を行う。
- アウトブレイクが発生していることの確認。対象の患者群について、平年と比べて時期が異常であるか、発生地域は異常であるか、など。
- アウトブレイクにかかる病状の診断の確認。
- 症例定義 (case definition) を作成し、含まれるべき患者・症状を定義する。
- 疫学特性 (descriptive epidemiology) の設定。時期・場所・集団を記録する。
- 仮説の案出。何が原因となっているのか。
- 仮説の検討。情報の収集・分析を行う。
- 仮説を修整し、さらなる研究を行う。
- 状況を制御・改善するための対策を開発し、実行する。
- 得られた成果をより広範囲に向けて発表する。
近年における主なアウトブレイク原因
関連項目
参考文献