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=== 細菌感染によるもの === | === 細菌感染によるもの === | ||
[[細菌感染]]による発熱は、[[抗生剤]]が効果的であるとされている。ただし、抗生剤は[[悪玉菌]]のみならず、[[善玉菌]]にも影響を与えるため、原因が特定されにくい発熱の初期には処方されないことが多い。 | |||
=== ウィルス感染によるもの === | === ウィルス感染によるもの === | ||
[[ウィルス感染]]による発熱は、[[抗生剤]]の効果はない。なお、[[風邪]]の主な原因は[[ウィルス感染]]である。 | |||
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子供は大人に比べ、体内の水分割合が多いため、汗をかいたり、ぐったりして、水分が採れなくなると[[脱水症状]]を起こしやすい。熱が高く、元気がない場合は、[[解熱剤]]を使用してから水分を与えると良いとされている。 | |||
[[小児]]用の[[解熱剤]]は非常に弱く作られており、1℃程度下がれば効いてると思って間違いない。1℃下がるだけでも子供は少し楽になると思うが、早急に[[受診]]するのがよい。 | |||
とくに、水分がとれない、ぐったりしている、尿が出ない、目がくぼんでる、というような症状があれば、早急に[[受診]]するのがよい。 | |||
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=== 座薬 === | === 座薬 === | ||
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なお、[[子供]]の場合は[[体重]]により[[薬]]の量が異なるので兄弟などに処方された[[薬]]は絶対に使ってはならない。一見すると同じような見た目で、同じような薬品名でも、年齢性別によりまったく異なる成分が[[処方]]されていることがあるので極めて注意すること。 | |||
また、[[処方]]から時間の経った古い薬は絶対に使ってはならない。期限切れの古い薬は猛毒以外の何物でもない。 | |||
== その他 == | == その他 == | ||
== 関連項目 == | == 関連項目 == | ||
* [[インフルエンザ]] | |||
* [[小児科]] | |||
* [[高熱]] | |||
* [[うがい薬]] | |||
== | == 参考文献 == | ||
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2019年11月25日 (月) 13:16時点における最新版
発熱(はつねつ、英語:fever)とは、病気や疾患に伴う症状の一つである。 医療の場などにおいては発熱ではなく熱発(ねっぱつ)と呼ばれることが多い。
臨床的に発熱とは37.5℃以上のものを指し、37.5℃未満は微熱といい、また38.5℃以上を高熱という。
なお、発熱は熱中症とは異なる。
発熱の機序[編集 | ソースを編集]
体温は通常、脳内の視索前野および視床下部の体温調節中枢によって一定の温度にコントロールされているが、これが様々な要因によってその設定温度が高くなってしまうことにより生じる。
体深部温を上昇させる生理学的意義としては、
- 体内に侵入した細菌類の増殖至適温度域よりも体温を上げ、それらの増殖を抑える
- 体温を上昇させることで免疫系の活性化を促す
といったことが考えられている。
よって、むやみに解熱剤を使用をすることは、生体に自然に備わった防御機能を弱めることにつながると考えられるが、高温の発熱状態にある場合は、脳などへの障害を防ぐためにも解熱剤を投与することが適当である。
細菌感染によるもの[編集 | ソースを編集]
細菌感染による発熱は、抗生剤が効果的であるとされている。ただし、抗生剤は悪玉菌のみならず、善玉菌にも影響を与えるため、原因が特定されにくい発熱の初期には処方されないことが多い。
ウィルス感染によるもの[編集 | ソースを編集]
ウィルス感染による発熱は、抗生剤の効果はない。なお、風邪の主な原因はウィルス感染である。
小児患者[編集 | ソースを編集]
子供は大人に比べ、体内の水分割合が多いため、汗をかいたり、ぐったりして、水分が採れなくなると脱水症状を起こしやすい。熱が高く、元気がない場合は、解熱剤を使用してから水分を与えると良いとされている。
小児用の解熱剤は非常に弱く作られており、1℃程度下がれば効いてると思って間違いない。1℃下がるだけでも子供は少し楽になると思うが、早急に受診するのがよい。
とくに、水分がとれない、ぐったりしている、尿が出ない、目がくぼんでる、というような症状があれば、早急に受診するのがよい。
着替えと風呂[編集 | ソースを編集]
身体は発熱して免疫系の活性化させようとする一方で、同時に熱を下げようと汗もかく。 当然のように不快な気分になるので、寝付けないなどの症状により、体力を消耗することになる。よって、着替えは頻繁に行い、ごく短時間の入浴も良い。ただし湯冷めは厳禁である。
座薬[編集 | ソースを編集]
救急にくる患者で多いのが座薬は持ってるけど使っていないという人である。子供が辛そうなら診察には影響ないので使うのが望ましい。診察時に「何を」「いつ」使ったかを医師に伝えれば問題ない。高熱時の移動と待ち時間の間の体力消耗の方が大問題である。
なお、子供の場合は体重により薬の量が異なるので兄弟などに処方された薬は絶対に使ってはならない。一見すると同じような見た目で、同じような薬品名でも、年齢性別によりまったく異なる成分が処方されていることがあるので極めて注意すること。
また、処方から時間の経った古い薬は絶対に使ってはならない。期限切れの古い薬は猛毒以外の何物でもない。