「重症熱性血小板減少症候群」の版間の差分
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2013年2月1日 (金) 22:43時点における最新版
重症熱性血小板減少症候群 severe fever with thrombocytopenia syndrome | |
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分類及び外部参照情報 | |
ICD-10 | A99 |
ICD-9 | 065.9 |
MeSH | D002044 |
重症熱性血小板減少症候群 (severe fever with thrombocytopenia syndrome, SFTS) とは、新種のウイルス「SFTSウイルス(SFTSV)」 による感染症、病気である。
概要[編集 | ソースを編集]
SFTSは主に野山に生息するマダニの一種にかまれることでSFTSウイルス(SFTSV)に感染し発症するとみられている。致死率は12%程度と推定される。潜伏期間は6日~14日程度とされる。
SFTSVへの感染は2009年ごろに中国で報告され、2012年秋には日本で初の報告がされた。
感染経路[編集 | ソースを編集]
SFTSはダニが媒介する感染症であり、主に野山に生息するマダニの一種にかまれてSFTSウイルス(SFTSV)に感染するものとみられている。中国での報告ではフタトゲチマダニ(Haemophysalis longicornis )やオウシマダニ(Rhipicephalus microplus)などのマダニからウイルス分離されている。
なお、ヒトからヒトへの感染はほぼ無いため急激に患者数が増える可能性は極めて小さい。ただし医療機関では診療中に血液や体液などの感染源に直接触れることで接触感染する危険性があるため標準予防策の遵守が重要である。
また、ウイルス血症を伴う動物との接触による感染経路もあり得ると考えられる。
治療方法[編集 | ソースを編集]
2013年1月時点でSFTSウイルス(SFTSV)に有効な治療薬やワクチンはない。血液の管理などの対処療法のみとなる。
予防方法[編集 | ソースを編集]
野外でマダニに噛まれないように注意する。野山などへ入るときは肌が露出しないようにするなどの古くから行われている一般的なマダニ対策を徹底すること。
感染事例[編集 | ソースを編集]
2013年1月30日、厚生労働省は日本で初めて海外渡航歴のない成人で女性の患者がSFTSウイルス(SFTSV)に感染し、死亡したと発表した。
この患者は昨年秋に発熱や嘔吐、下痢(黒色便)などの症状を訴え入院した。
入院時の身体所見では明らかなダニ咬傷はなく、血液検査では白血球や血小板の数が低下し、ASTやALT、LDH、CKの高値、さらに血液凝固系の異常やフェリチンの上昇も認められたという。尿検査では血尿、蛋白尿が認められた。胸腹部単純CT検査では右腋窩リンパ節腫大を認めた。骨髄穿刺検査によりマクロファージによる血球貪食像を伴う低形成髄の所見が認められた。
そして約1週間後に四肢脱力および肉眼的血尿と多量の黒色便を認め、全身状態が不良となり死亡した。
備考[編集 | ソースを編集]
国立感染症研究所(東京都)で入院中に採血された患者の血液を調べたところSFTSウイルス(SFTSV)が見つかった。このSFTSVの遺伝子を調べたところ、中国で見つかったものとは塩基配列が微妙に異なっており、日本独自のSFTSVが古くから存在していた、または中国以外から来た外来種である可能性が考えられる。
これに伴い厚生労働省では類似の患者を診察した場合には情報提供してほしいとしている。
その他[編集 | ソースを編集]
山口県はこの患者について居住地域や年齢や性別などについては「遺族の強い意向と個人情報の観点から詳細は言えない」として一切公開していない。ただし年齢については抵抗力などを推測する上で重要な要素であるため公表して欲しいという意見も見受けられる。
また山口県では感染経路についても「一切不明」としている。一部メディアではマダニに噛まれたことによるものであるかのように報道されているが、この患者は入院時の身体所見でも明らかなダニ咬傷がない(マダニの咬傷は全治数週間)ということから、やはり感染経路は一切不明である。