大口病院
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情報 | |
正式名称 | 特定医療法人財団慈啓会大口病院 |
許可病床数 |
85床 一般病床:42床 療養病床:43床 |
管理者 | 鈴木 峻(院長) |
所在地 |
〒221-0002 神奈川県横浜市神奈川区大口通130 |
特定医療法人財団慈啓会 大口病院とは、神奈川県横浜市神奈川区にある医療機関である。系列には急性期の大口東病院や、大口訪問看護ステーションなどがある。病床数は85床のケアミックス病院である。2016年9月、入院中の男性患者が死亡し、司法解剖の結果、死因が中毒死と判明したと明らかになった[1]。2017年12月1日、「横浜はじめ病院」と正式に名称が変更され診療が再開された[2]。
詳細は「大口病院#点滴連続中毒死事件」を参照
出典 mainichi.jp
診療科目
診察時間
予防接種
交通
- JR横浜線「大口駅」西口・徒歩3分
保有医療機器
点滴連続中毒死事件
点滴連続中毒死事件 | |
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謝罪する院長(当時) 出典 mainichi.jp 謝罪する院長(当時) 出典 mainichi.jp | |
場所 |
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標的 | 入院患者 |
日付 | 2016年(平成28年) |
死亡 | 入院患者2人[3]ほかに多数か[注釈 1] |
犯人 | 久保木愛弓(大口病院の元看護師) |
容疑 | 殺人罪 |
動機 | 自分の勤務中に患者が亡くなると、家族への対応が出てくるため[注釈 2]また、犯行を繰り返すうちに歯止めが利かなくなった可能性もある[4]。 |
管轄 | 神奈川県警 |
概要
2016年9月、入院中の男性患者2人が死亡し、司法解剖の結果[注釈 3]、死因が中毒死と判明[3]。神奈川県警は現場の状況などから、何者かが男性の点滴に異物を混入した疑いがあるとみて、殺人事件と断定し、捜査を始めた。同病院の2~4階に入院していた患者50人全員の血液を採取して鑑定した結果、界面活性剤の成分は検出されなかった[5]。4階ナースステーションで保管されていた未使用点滴約50袋のうち約10袋でゴム栓部分の保護シールに注射器の針で開けたような穴が見つかり、特捜本部が中身の鑑定を進めていた。穴が開いた点滴には2人以外の名前が書かれたものもあった。中毒死した2人の体内や点滴から同じタイプの界面剤成分が検出された。ステーションにあった消毒液「ヂアミトール[注釈 4]」を混入された疑いがある[6]。横浜市は臨時の立ち入り検査を実施。薬剤の管理方法など安全管理体制について院内の状況を確認し、院長や看護師長らから聞き取り調査を行った[7]。 同月、臨時立ち入り検査の結果を病院側へ通知。計13項目について行政指導をした[8] 。10月、過去に受診歴がある外来患者のみ診療を再開。新規の入院患者の受け入れは中止し、入院していた患者には転院をすすめた。12月、全員の転院が完了後、入院病棟も閉鎖し、外来診療についても内科とリハビリテーション科は受け付けを中止した。それに伴い、職員のほとんどが退職をした[9] 。
容疑者逮捕
2018年7月、神奈川県警が同院の元看護師だった女性の容疑が固まり次第、殺人容疑で逮捕状を請求する方針であると報道された[10] 。
模倣事件
この事件の特徴である点滴に小さな穴をあける事件が福岡[11] と大阪[12] の病院でも相次いだ。どちらの病院も患者へ点滴中であったが健康被害は報告されていない。いたずらの可能性が高い。
横浜はじめ病院
2017年9月、名称を横浜はじめ病院へ変更する予定であることが発表された[13]。2017年12月1日、「横浜はじめ病院」と正式に名称が変更され診療が再開された[2][注釈 5]。2018年2月26日、病院は入院受け入れを再開することを明らかにした[注釈 6][注釈 7][14]。
脚注
注釈
- ↑ 2か月間で4階の入院患者計48人が死亡。院長自身も多いと感じていたが、院内感染の恐れもなく、病院の性格上(療養型)ということもあり、重症者が増えたためと認識していた。
- ↑ 。「自分の勤務中に患者が亡くなると、家族に説明しなければならず、面倒だった」と取調べに対して供述している。
- ↑ 点滴が泡立っていることを不審に思った病院側が神奈川県警に連絡。
- ↑ ベンザルコニウム塩化物液。ヂアミトールは商品名。一般に逆性石鹸として殺菌・消毒用に用いられる。
- ↑ 新名称には「新たなスタートを切りたい」との思いを込めている。病院創設者名にも由来し、職員らが複数の候補から投票で決めたという
- ↑ 同日、横浜市が立ち入り検査で現地確認を行い、入院再開に必要な安全管理対策の指導項目の改善が確認できたことを受けての措置。
- ↑ 当面は一般病床全42床のうち4階の26床で受け入れを再開する。
出典
- ↑ 点滴に異物?患者中毒死 横浜の病院、殺人容疑で捜査 | 日本経済新聞 2016年9月23日
- ↑ 2.0 2.1 点滴連続殺人の病院、名前変更 「横浜はじめ病院」に | 神奈川新聞 2017年12月1日
- ↑ 3.0 3.1 別の男性患者1人も中毒死 横浜患者殺害 | 日本経済新聞 2016年9月26日
- ↑ 「次第に感覚マヒ」 1日5人死亡日も、犯行エスカレートか | 産経ニュース 2018年7月13日
- ↑ 界面活性剤、入院患者からは検出されず 横浜・大口病院 | 日本経済新聞 2016年10月14日
- ↑ 未使用点滴にも界面剤 横浜患者殺害、不特定多数狙う? | 日本経済新聞 2016年10月19日
- ↑ 大口病院を臨時検査 横浜患者殺害、市が院長から聞き取り | 日本経済新聞 2016年10月11日
- ↑ 患者中毒死の大口病院に改善指導 横浜市 | 日本経済新聞 2016年10月29日
- ↑ 捜査本部設置から半年 大口病院、常勤わずか3人に 県警6646人投入し捜査続く |産経ニュース 2017年3月24日
- ↑ 横浜の点滴異物混入事件、元看護師の逮捕状請求へ | TBS 2018年7月7日
- ↑ 産業医大病院 投与点滴に穴 未使用2個も 健康被害なし 鎮痛剤と鍵も紛失 | 毎日新聞 2016年10月21日
- ↑ 点滴に穴 大阪府立成人病センターで投与中発見 人為的か | 毎日新聞 2016年11月22日
- ↑ 患者2人中毒死 病院名変え11月にも入院再開 横浜 | NHK 2017年9月22日
- ↑ 連続点滴中毒死事件の旧大口病院、入院再開へ | 産経ニュース 2018年2月26日
関連項目
外部リンク
- 特定医療法人財団 慈啓会 大口病院 - 横浜はじめ病院の公式ホームページへのリンクが貼られたのみとなっている。
- 特定医療法人財団 慈啓会 横浜はじめ病院
- 横浜市の医療安全業務に関する検証報告書(大口病院に関する対応について)