虫垂炎
虫垂炎(ちゅうすいえん、英:appendicitis、業界用語:アッペ)は、何らかの原因により、虫垂が閉塞(詰まり)、2次的に細菌感染を起こし炎症している状態のことである。
つまる原因としては、固まった便(糞石)やリンパ濾胞(リンパ小胞ともいわれる)の増殖などが多い。
その昔、虫垂炎は盲腸炎(もうちょうえん)と呼ばれていた時期がある。これは診断の遅れから、開腹手術をした時には既に虫垂が化膿や壊死を起こして盲腸に張り付いて、あたかも盲腸の疾患のように見える事があったためである。
治療法[編集 | ソースを編集]
「標準治療」は診療活動をする専門医により行われている一般標準的な治療法の解説であり、厚生労働省や学会で作成した「ガイドライン」そのものではない。
標準治療[編集 | ソースを編集]
炎症の程度が軽い場合は、まず抗生物質を投与して様子をみる。それでも症状が悪化するようであれば、手術を考慮する。 初診時に症状がひどい場合は緊急手術となるが、この判断はなかなか困難。
通常手術は腰椎麻酔(小児の場合は全身麻酔の場合もある)で、診断の項で述べたマックバーニーの圧痛点を目安に数cm斜めに切開をいれ、虫垂を切除する。炎症が強いと傷が大きくなることもある。最近、腹腔鏡(ふくくうきょう)を用いた手術が各分野で大流行しており、虫垂炎の手術でも行われている。
その昔、他の病気で腹部の手術をする際に、ついでに虫垂も一緒に切除していた。しかし虫垂にはリンパ濾胞(ろほう)が発達しており、最近はで虫垂は何か免疫に関する働きをしているのではないかと言われるようになり、とりあえず残すのが一般的になってきている。
緊急[編集 | ソースを編集]
自覚症状で虫垂炎を疑う時は、「何も食べないで」消化器外科医のいる医療機関を受診すること。 「何も食べないで」というのは、緊急手術しなければならない可能性があるため、胃内容物があると麻酔をかけにくいからである。