「X線透視撮影」の版間の差分

提供:メディカルウェア
ナビゲーションに移動 検索に移動
編集の要約なし
編集の要約なし
 
(4人の利用者による、間の5版が非表示)
1行目: 1行目:
'''X線透視撮影'''(Fluoroscopy)とは、[[X線]]を用いて、リアルタイムに観察部位を映し出す装置および検査方法。リアルタイム動画をテレビみたいなモニタで見るので医療現場では'''X線テレビ'''や単純に'''テレビ'''、'''透視'''など様々な言われ方をしている。[[モダリティメーカー]]の人間は'''Digital Radiography'''、略して'''DR'''と言うことが多い。たぶん[[CR]]と区別するためだと思うが「CRもデジタルだろ」というツッコミは禁止である。一方で[[DICOM]]のモダリティ記号は「'''DX'''」である。
'''X線透視撮影'''(英語:fluoroscopy)とは、[[X線]]を用いてリアルタイムに観察部位を映し出す検査方法である。


[[X線一般撮影]]が普通のカメラだとすれば、X線透視撮影はビデオカメラに相当する。静止画か動画かの違いであり基本的な構造はほぼ一緒である。このためX線透視撮影装置を用いて[[X線一般撮影]]も行えたりする。ただし装置の値段には大きな差がある。空港の手荷物検査の機械みたいなものと思って間違いない。
検査の様子はリアルタイムでテレビのようなモニターで見るので医療現場では'''X線テレビ'''や単純に'''テレビ'''、'''透視'''など様々な言われ方をしている。


古いX線透視撮影装置は普通のビデオデッキ(VHSデッキ)で検査を記録、最近のX線透視撮影装置だと[[DICOM]][[DICOM/マルチフレーム|マルチフレーム画像]]として記録できるようになっている。
[[モダリティメーカー]]の人間は'''Digital Radiography'''、略して'''DR'''と言うことが多い。たぶん[[CR]]と区別するためだと思うが「CRもデジタルだろ」というツッコミは禁止である。一方で[[DICOM]]のモダリティコードは「'''DX'''」である。最近では[[フラットパネル]]をDXと設定していることも多い。


X線透視撮影はリアルタイム動画なので、患部を観察をしながら向きを変えたり、圧迫したりして、最も見やすい状態にして撮影することができる。
== 概要 ==
=== 装置 ===
大雑把にいえば、[[X線一般撮影装置]]がスチルカメラであるとすると、X線透視撮影装置はビデオカメラに相当するものである。


[[胃]]や[[腸]]([[注腸造影検査]])の観察をはじめ(主用途はほぼこれ)、[[カテーテル]]挿入時にカテーテルがどこまで進んでいるかの状態確認、表面からは見えない細かい患部の処置時などに使われる。また最近でもないが最近の機種では[[X線造影剤]]の使用前と使用後の差分で[[血管]]だけを映し出す[[血管造影検査]]なども行える([[DSA]],[[Digital Subtraction Angiography]])。
静止画か、動画か、の違いこそあれ基本的な構造はほぼ一緒である。このためX線透視撮影装置を用いて[[X線一般撮影]]も行えたりする。ただし装置の値段には大きな差がある。空港の手荷物検査の機械みたいなものと思って間違いない。
 
古いX線透視撮影装置は普通のビデオデッキ(VHSデッキ)で検査を記録していたが、最近のX線透視撮影装置では[[DICOM]]の[[DICOM/マルチフレーム|マルチフレーム画像]]として記録できるようになっている。なお、ビデオデッキは市販の物であるが[[医療機器承認番号]]のシールが貼られて1台100万円などで売られていた。
 
=== 撮影 ===
X線透視撮影はリアルタイム動画なので、[[患部]]を観察をしながら向きを変えたり、圧迫したりして、最も見やすい状態にして撮影することができる。
 
[[胃]]や[[腸]][[注腸造影検査]])の観察をはじめ(主用途はほぼこれ)、[[カテーテル]]挿入時にカテーテルがどこまで進んでいるかの状態確認や、表面からは見えない細かい患部の処置時などに使われる。また、[[術中]]に素早く観察したい場合などにも用いられる。
 
また、最近でもないが、最近の機種では[[X線造影剤]]の使用前と使用後の差分で[[血管]]だけを映し出す[[X線血管撮影]]なども行える(英語:[[Digital Subtraction Angiography]], [[DSA]])。X線透視撮影と[[X線血管撮影]]はほぼ機械の性能の違いであり、構造的には似たようなものだが、それぞれ区別するのが一般的である。[[モダリティメーカー]]のカタログによっては分かれないこともあるが、一応[[DICOM]]の[[モダリティコード]]も[[X線血管撮影]]は[[XA]]と別枠となっている。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
* [[X線一般撮影]]
* [[X線一般撮影]]
* [[DICOM]]
* [[モダリティ]]
== 参考文献 ==
{{reflist}}


{{medical-stub}}
{{medical-stub}}

2015年4月17日 (金) 22:18時点における最新版

X線透視撮影(英語:fluoroscopy)とは、X線を用いてリアルタイムに観察部位を映し出す検査方法である。

検査の様子はリアルタイムでテレビのようなモニターで見るので医療現場ではX線テレビや単純にテレビ透視など様々な言われ方をしている。

モダリティメーカーの人間はDigital Radiography、略してDRと言うことが多い。たぶんCRと区別するためだと思うが「CRもデジタルだろ」というツッコミは禁止である。一方でDICOMのモダリティコードは「DX」である。最近ではフラットパネルをDXと設定していることも多い。

概要[編集 | ソースを編集]

装置[編集 | ソースを編集]

大雑把にいえば、X線一般撮影装置がスチルカメラであるとすると、X線透視撮影装置はビデオカメラに相当するものである。

静止画か、動画か、の違いこそあれ基本的な構造はほぼ一緒である。このためX線透視撮影装置を用いてX線一般撮影も行えたりする。ただし装置の値段には大きな差がある。空港の手荷物検査の機械みたいなものと思って間違いない。

古いX線透視撮影装置は普通のビデオデッキ(VHSデッキ)で検査を記録していたが、最近のX線透視撮影装置ではDICOMマルチフレーム画像として記録できるようになっている。なお、ビデオデッキは市販の物であるが医療機器承認番号のシールが貼られて1台100万円などで売られていた。

撮影[編集 | ソースを編集]

X線透視撮影はリアルタイム動画なので、患部を観察をしながら向きを変えたり、圧迫したりして、最も見やすい状態にして撮影することができる。

注腸造影検査)の観察をはじめ(主用途はほぼこれ)、カテーテル挿入時にカテーテルがどこまで進んでいるかの状態確認や、表面からは見えない細かい患部の処置時などに使われる。また、術中に素早く観察したい場合などにも用いられる。

また、最近でもないが、最近の機種ではX線造影剤の使用前と使用後の差分で血管だけを映し出すX線血管撮影なども行える(英語:Digital Subtraction Angiography, DSA)。X線透視撮影とX線血管撮影はほぼ機械の性能の違いであり、構造的には似たようなものだが、それぞれ区別するのが一般的である。モダリティメーカーのカタログによっては分かれないこともあるが、一応DICOMモダリティコードX線血管撮影XAと別枠となっている。

関連項目[編集 | ソースを編集]

参考文献[編集 | ソースを編集]