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'''耐用期間'''とは、[[薬事法]]で定められている[[医療機器]]を普通に使った場合に使用できる期間のことである。
{{DICOM Element
つまり法律で「明示しなさい」とされている[[医療機器]]の保証期間のことであり、食品でいう消費期限(賞味期限ではない)に相当するものである。
| GROUP      = 0018
| ELEMENT    = 1114
| 英語名称  = Estimated Radiographic Magnification Factor
| 日本語名称 = 推定X線撮影倍率
| VR        = DS
| VM        = 1
| 備考      =
}}
DICOMタグの{{DICOM TAG|0018|1114}}とは、
X線源から検出器までの距離と、X線源から検出器を格納している筐体の前面までの距離の比率である。


なお、耐用期間([[薬事法]])と[[耐用年数]](税法)は非常に似た言葉だが意味は異なるので厳密な意味では注意する必要がある。ただし耐用期間と[[耐用年数]]を同一の期間に設定している[[医療機器]]が多いため、耐用期間を定める者でもないかぎり気にするほどではない。
== 概要 ==
* X線源から検出器までの距離は「Source Object Distance (SOD)」、
* X線源から検出器を格納している筐体の前面までの距離は「Souce Image Distance (SID)」
と呼ばれる。


== 概要 ==
一般的なX線撮影では被写体を検出器の筐体前面に押し付けて行うので、
[[薬事法]]では個別の[[医療機器]]ごとに耐用期間を規定しているわけではなく、あくまでも[[医療機器]]を製造販売する者が自主的に定めなさい、となっている。
たとえば[[FPD]]などに金属定規を置いて撮影した場合を想定すると距離計測などはSIDで行うべきであるといえる。
ただし自主的にといっても闇雲に決めていいわけではなく、[[厚生労働省]]が出している「医療機器の耐用期間設定評価手法ガイドライン」に従わなければならない。
[[ファイル:ERMF.png|640px|none]]


大雑把に言えば、数ある部品のなかで、交換できる部品のもっとも供給期間が短いもの、または交換できない部品のもっとも寿命の短いものにあわせることになっている。
このことより[[DICOMタグ]]に入っているPixel Spacing{{DICOM TAG|0018|1164}}は「SODにおけるPixel Spacing(検出器1個の大きさ)」であり、そのまま使わずにEstimated Radiographic Magnification Factorの値で除算して「SIDにおけるPixel Spacing」を算出して使うべきである。


この定めに従うと、例えばパソコンであれば、パソコン本体よりも、CPUやメモリなどを作っているメーカーに依存することが多い。
SODでのPixel Spacing = Pixel Spacing (DICOMタグに入ってる)
よってそれなりの耐用期間を設定しようとすると、それらの部品を事前にまとめ買いして保守部品として保管しておく必要があり、まじめに対応すると[[医療機器]]の製品価格が跳ね上がることになる。つまり耐用期間の長さと製品価格の高さは比例する。
SIDでのPixel Spacing = Pixel Spacing / Estimated Radiographic Magnification Factor


現実的な数字として、[[医療機器]]の耐用期間は4~7年程度に設定されていることが多く、また税法上の[[耐用年数]]にあわせ5年としている製品がとくに多い。
これを用いて距離計測を行うとすると以下のようになる。
稀に大型の機器などでは10年を超える耐用期間が設定されている物もあるが、ほんとうに稀である。
距離 = ピクセル数 * SIDでのPixel Spacing


なお、耐用期間を過ぎて使用していた場合に何らかの医療事故やデータ消失事故などが起きた場合は、問答無用で使用者および[[医療機関]]の管理者の責任となる。つまり万が一のことを考えて、壊れてなくても買い替えなさいという定めである。
なお、DICOMタグにBody Part Thickness {{DICOM TAG|0018|11A0}}が記録されている場合はそちらも参考にすべきである。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
* [[医療機器]]
* Pixel Spacing {{DICOM TAG|0018|1164}}
* [[耐用年数]]
* Body Part Thickness  {{DICOM TAG|0018|11A0}}
 
== 参考文献 ==
{{reflist}}
 
== 外部リンク ==
 
{{medical-stub}}

2018年12月21日 (金) 14:07時点における版

DICOMタグ
(0018,1114)
英語名称 Estimated Radiographic Magnification Factor
日本語名称 推定X線撮影倍率
VR DS
VM 1

DICOMタグの(0018,1114)とは、 X線源から検出器までの距離と、X線源から検出器を格納している筐体の前面までの距離の比率である。

概要

  • X線源から検出器までの距離は「Source Object Distance (SOD)」、
  • X線源から検出器を格納している筐体の前面までの距離は「Souce Image Distance (SID)」

と呼ばれる。

一般的なX線撮影では被写体を検出器の筐体前面に押し付けて行うので、 たとえばFPDなどに金属定規を置いて撮影した場合を想定すると距離計測などはSIDで行うべきであるといえる。

このことよりDICOMタグに入っているPixel Spacing(0018,1164)は「SODにおけるPixel Spacing(検出器1個の大きさ)」であり、そのまま使わずにEstimated Radiographic Magnification Factorの値で除算して「SIDにおけるPixel Spacing」を算出して使うべきである。

SODでのPixel Spacing = Pixel Spacing (DICOMタグに入ってる)
SIDでのPixel Spacing = Pixel Spacing / Estimated Radiographic Magnification Factor

これを用いて距離計測を行うとすると以下のようになる。

距離 = ピクセル数 * SIDでのPixel Spacing

なお、DICOMタグにBody Part Thickness (0018,11A0)が記録されている場合はそちらも参考にすべきである。

関連項目