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'''病院情報システム''' ('''H'''ospital '''I'''nformation '''S'''ystem, '''HIS''')とは、病院の根幹を担う情報システムのことである。
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'''病院情報システム''' (英語:'''H'''ospital '''I'''nformation '''S'''ystem, 通称:'''HIS''')とは、[[病院]]の根幹を担う情報システムの総称である。


病院情報システムの明確な定義は存在しないが、一般的には[[オーダリング・システム]]を軸に、[[電子カルテ]]および[[レセプト・コンピュータ]] (通称[[レセコン]])が一体化したものを最小構成とする場合が多い。また、主に大学病院などで用いられている超大規模な病院情報システムでは、前述のシステム群に加え、[[RIS]]([[放射線科情報システム]])や[[PACS]]([[医用画像システム]])、[[病理システム]]、さらには入院患者の[[給食管理システム]]、果てには駐車場における駐車券の発券システムまでが一体化されたものも存在する。
== 概要 ==
病院情報システムの明確な定義は存在しないが、一般的には[[オーダーエントリーシステム]]([[オーダリングシステム]]とも呼ばれる)を軸に、[[電子カルテ]]および[[レセプトコンピューター]] (通称[[レセコン]])が一体化したものを最小構成とする場合が多い。
 
また、主に[[大学病院]]などで用いられている大規模な病院情報システムでは、前述のシステム群に加え、[[放射線科情報システム]](通称[[RIS]])や[[医用画像システム]]([[PACS]])、[[病理システム]]などの部門システムを筆頭に、さらには入院患者の[[給食管理システム]]や[[薬剤]]や[[消耗品]]などの在庫管理、果てには駐車場における駐車券の発券システム、院内の売店の[[POSレジスタ]]までもが一体化されたものも存在する。
 
== 価格 ==
当然のように巨大なシステムであるためお値段はプライスレスである。小規模なものでも数億円は軽く超え、20億円だ30億円だという声もよく聞かれる。また大規模すぎて話がまとまらず、完成せずに訴訟になっている事例も多々あり、発注する方も受注する方もそのような訴訟が発生する前提で価格設定していることが多い<ref>http://ci.nii.ac.jp/naid/140000110071</ref>。
 
== 導入の実際 ==
病院情報システムを導入する規模の[[医療機関]]ともなると巨大な運用フローが出来上がっており、パッケージ製品を買ってきて導入という訳にはいかないので、99.99%はその[[医療機関]]にあわせ独自開発したシステムとなっている。一応はメーカーで製品名を付けているが、受注してから病院の要望に添って作り始める受諾開発であり、あっても開発用のライブラリくらいなのが実情である。
 
そもそも既製品の部門システムを寄せ集めてきても、それらを繋ぎ合わせるだけで一大プロジェクトになるという。
 
病院情報システムの開発には医療施設内の一部を貸し切って複数の業者が常駐で開発することもよく行われている。複数の業者が複雑に絡み合う一大プロジェクトであるため、ひとたびトラブルが発生すれば責任のなすり付け合いが始まり、開発中に潰れる会社が現れ行程の先行きすら見えなくなったりと、末端の開発現場はまるで[[隔離病棟]]・[[閉鎖病棟]]のような状態と化している。このような状態を業者は[[デスマーチ]]などと呼んでいる。
 
== 関連項目 ==
* [[オーダリング・システム]]
* [[電子カルテ]]
* [[レセプト・コンピュータ]] (通称[[レセコン]])
* [[RIS]] ([[放射線科情報システム]])
* [[PACS]] ([[医用画像システム]])
 
== 参考文献 ==
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2013年6月24日 (月) 15:48時点における最新版

<youtube size="medium" align="right">A0I8oy83UhQ</youtube> 病院情報システム (英語:Hospital Information System, 通称:HIS)とは、病院の根幹を担う情報システムの総称である。

概要[編集 | ソースを編集]

病院情報システムの明確な定義は存在しないが、一般的にはオーダーエントリーシステムオーダリングシステムとも呼ばれる)を軸に、電子カルテおよびレセプトコンピューター (通称レセコン)が一体化したものを最小構成とする場合が多い。

また、主に大学病院などで用いられている大規模な病院情報システムでは、前述のシステム群に加え、放射線科情報システム(通称RIS)や医用画像システムPACS)、病理システムなどの部門システムを筆頭に、さらには入院患者の給食管理システム薬剤消耗品などの在庫管理、果てには駐車場における駐車券の発券システム、院内の売店のPOSレジスタまでもが一体化されたものも存在する。

価格[編集 | ソースを編集]

当然のように巨大なシステムであるためお値段はプライスレスである。小規模なものでも数億円は軽く超え、20億円だ30億円だという声もよく聞かれる。また大規模すぎて話がまとまらず、完成せずに訴訟になっている事例も多々あり、発注する方も受注する方もそのような訴訟が発生する前提で価格設定していることが多い[1]

導入の実際[編集 | ソースを編集]

病院情報システムを導入する規模の医療機関ともなると巨大な運用フローが出来上がっており、パッケージ製品を買ってきて導入という訳にはいかないので、99.99%はその医療機関にあわせ独自開発したシステムとなっている。一応はメーカーで製品名を付けているが、受注してから病院の要望に添って作り始める受諾開発であり、あっても開発用のライブラリくらいなのが実情である。

そもそも既製品の部門システムを寄せ集めてきても、それらを繋ぎ合わせるだけで一大プロジェクトになるという。

病院情報システムの開発には医療施設内の一部を貸し切って複数の業者が常駐で開発することもよく行われている。複数の業者が複雑に絡み合う一大プロジェクトであるため、ひとたびトラブルが発生すれば責任のなすり付け合いが始まり、開発中に潰れる会社が現れ行程の先行きすら見えなくなったりと、末端の開発現場はまるで隔離病棟閉鎖病棟のような状態と化している。このような状態を業者はデスマーチなどと呼んでいる。

関連項目[編集 | ソースを編集]

参考文献[編集 | ソースを編集]