参照端末

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参照端末(読み:さんしょうたんまつ)とは、いわゆるPACSのうち、医療従事者医用画像を確認するための端末(主にパソコン)のことである。

概要[編集 | ソースを編集]

建前[編集 | ソースを編集]

参照端末とは、大雑把に言えば「薬事承認番号を取得していない読影端末」である。薬事法の制約をうけないので取り扱いが簡便であり、融通が非常にきくのが利点である。

建前上は参照用であり診療用に使ってはならないことになっている。たとえ読影端末と同じハードウェアとソフトウェアを搭載した物であっても、参照端末で画像診断を行うことは薬事法に違反した行為であり、結果として保険診療診療報酬請求ができない。

あくまで読影医以外の看護師放射線技師受付医事などが検査の進み具合などを確認するために使う端末である。

本音[編集 | ソースを編集]

ただし、医師法薬事法より優先されるため「医師の権限下(自己責任)」において参照端末で画像診断に用いた場合はこの限りではないとされている。

薬事法の制約下にある読影端末は申請時点からハードウェアもソフトウェアも構成を変えることが事実上不可能である(変更は再申請となる)。そのためCPUなど全パーツを自社開発しているメーカーでもない限り、他社の都合に振り回されるわけにもいかないので、申請と同時に大量在庫を抱える必要がある。大量在庫を抱えているので型落ちしようが安売りはできない。在庫を維持するための倉庫代なども商品価格に上乗せである。

当然のように薬事法の申請費用も商品価格に上乗せである。

このため現在の読影端末は普通のパソコンにも関わらず、家電量販店で売られている最新鋭のパソコンと比べると、3世代も4世代も型落ちした産廃のような代物が発売当時の定価以上のボッタクリ価格で販売せざるを得なくなっている。売る方も買う方も誰も特をしないという。

そこで参照端末である。なんの制約もない普通のパソコンである。

事例1[編集 | ソースを編集]

京都にある某大学病院の放射線科でも読影室の片隅に誰も使用しない読影端末を建前的に設置し、残りはすべて参照端末で読影のような「参照」しているという状況であったりする。参照端末は読影端末と同じソフトウェアの最新バージョンで、パソコン本体も壊れるたび最新機種を導入しているという。

特にソフトウェアに関しては大規模な医療機関では独自の改良が行われないと業務改善なども一行に進まないという状況になるため、「PACSはパッケージ製品なので」や「薬事法のからみで」や「同情するなら予算くれ」などとゴネても、ほぼオーダーメイドで好き勝手に作っている電子カルテなどを統括するような部門から嫌みを言われることになる。

関連項目[編集 | ソースを編集]

参考文献[編集 | ソースを編集]