免疫
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免疫(めんえき、英語:immunity)とは、「自己」と「非自己」を識別し、非自己を排除しようとする機構のことである。
概要[編集 | ソースを編集]
免疫は生体において自己と非自己を識別できる唯一の機構であり、かつ非自己を見つけると排除しようとする機構のことである。これにより生体は恒常性を維持し、細菌やウイルスなどの病原体の感染や病気から身を守っている。
なお、腫瘍(がん細胞)は「自己」が増殖する際に異常を起こし「不完全な自己」となってしまったものであり、多くの場合は「自己」であると誤認識され、免疫監視をかいくぐり、免疫系の攻撃を受けない。つまり単純に免疫を強化してもガン細胞と戦わないのである。よって「免疫強化で癌が治る」とうたう詐欺まがいの健康食品はまったくの無意味であり、お金の無駄であると言える。
一方、放射線治療などでがん細胞を殺すと、免疫系が死んだがん細胞を廃棄処分しようとする。その際に「非自己」と識別し、以後その免疫が活性化することが知られている。このメカニズムを応用し、活性化した免疫が寿命で死滅する前に体内から取り出して、体外で増殖させたのち、再度体内に戻す樹状細胞ワクチン療法なども免疫治療も始まりつつある。ちなみにこの免疫を誘導する具体的なメカニズム(マイクロファージの機能)は理化学研究所の研究により明らかにされている[1]。
免疫の種類[編集 | ソースを編集]
免疫は大きくわけて、生体に存在する自然免疫と、抗原に曝露することで生体が生産する獲得免疫に分けられる。
獲得免疫は後天的に外来異物の刺激に応じて形成される免疫であり、インフルエンザウイルスに感染することで次回以降は耐性が強くなる、またインフルエンザワクチンなどのワクチンを打つことで事前に耐性が強くなるなどという場合が該当する。