カテーテル
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カテーテル (独語: Katheter, 英語: catheter)とは、体内に挿入して使用する中空の柔らかい医療用チューブのことである。
主にシリコンやポリエチレンが素材として用いられているものが多いが、用途により太さや材質は様々である。
点滴や吸引をはじめ、膀胱障害がある場合には尿道に挿入したりする。
カテーテルの歴史[編集 | ソースを編集]
1929年に西ドイツの医師であるヴェルナー・テオドル・オットー・フォルスマンが自分の腕にカテーテルを刺し、心臓まで届いたところをレントゲン写真を撮影したのが人体では始めてといわれている。
ヴェルナー、1861年にフランスのシャボーとマーレイという2人の医師が試みた風船のついたカテーテルを馬の心臓に挿入し血圧を測ったという実験を医学書で見つけ、カテーテルを人間の肘の静脈から心臓まで挿入し、直接心臓に強心剤を投与できれば、心臓周りの動脈を傷つけることもなく死なずに済む患者も多くなるのでは、と考え、自らの人体を賭けた実験を強行したと言われている。
このヴェルナーの実験は心臓カテーテルの可能性を広げたが、「人間はモルモットじゃない」「心臓に管を入れるなど患者に言える訳がない」など反対意見や非難が続出、当時の学会はこの実験結果を倫理的に認めず、ヴェルナーは病因を解雇されてしまい、歴史的な実験は埋もれてしまうこととなった。
だがそれから25年後、52歳になったヴェルナーのもとに思いもよらない知らせが届く。それはノーベル賞の受賞を知らせる手紙だった。ヴェルナーの実験はアメリカのクールナン博士とリチャ―ズ博士に感銘を与えていた。2人は患者に心臓カテーテルを使用し、有効であることを証明したのだ。そしてヴェルナーは1956年度のノーベル生理学・医学賞を受賞した。