「イメージング・プレート」の版間の差分

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'''イメージング・プレート''' ('''IP'''、'''I'''maging '''P'''late)とは、[[有機フィルム]]上の片面に[[輝尽性蛍光体粉末]]を塗布した板である。[[デジタルX線写真]]の撮影において写真フィルム(X線フィルム)の代わりに用いられる。
'''イメージング・プレート''' ('''IP'''、'''I'''maging '''P'''late)とは、[[有機フィルム]]上の片面に[[輝尽性蛍光体粉末]]を塗布した板である。[[デジタルX線写真]]の撮影において写真フィルム(X線フィルム)の代わりに用いられる。


==概要==
イメージングプレートはフィルムに比べ微小なX線吸収差を検出できるため、低被曝かつ高い診断情報を提供できる。また、イメージングプレートではX線情報を消去でき、繰り返し使用することができる。デジタルデータとして取得するため取扱管理が面倒でコストもかかる現像液なども必要ない。いわゆる最近流行のエコ商品の先駆け的な存在である。
イメージングプレートはフィルムに比べ微小なX線吸収差を検出できるため、低被曝かつ高い診断情報を提供できる。また、イメージングプレートではX線情報を消去でき、繰り返し使用することができる。デジタルデータとして取得するため取扱管理が面倒でコストもかかる現像液なども必要ない。いわゆる最近流行のエコ商品の先駆け的な存在である。


同様のものとして[[フラット・パネル・ディテクター]] ([[FPD]])というものがあるが、IPとFPDでは目的こそ同じであるが、デジタル信号に変換するまでの方式が異なる。例えるなら、IPは再利用可能なフィルム、[[FPD]]は完全なデジカメである。当然、FPDの方が多くの面で優れているが、FPDの導入は撮影機材すべてを入れ替える必要な一大イベントになるのに対して、とりあえず撮影機材は古いままでもIPとIPリーダー(専用スキャナー)を買ってきてフィルムの代わり利用すれば、最速[[フィルムレス]]化を達成でき、手軽に導入できるという利点もある。
同様のものとして[[フラット・パネル・ディテクター]] ([[FPD]])というものがあるが、IPとFPDでは目的こそ同じであるが、デジタル信号に変換するまでの方式が異なる。例えるなら、IPは再利用可能なフィルム、[[FPD]]は完全なデジカメである。当然、FPDの方が多くの面で優れているが、FPDの導入は撮影機材すべてを入れ替える必要な一大イベントになるのに対して、とりあえず撮影機材は古いままでもIPとIPリーダー(専用スキャナー)を買ってきてフィルムの代わり利用すれば、最速[[フィルムレス]]化を達成でき、手軽に導入できるという利点もある。
==利点==
軽い。それに伴い大型な製品もある。FPDは大きさに比例して重量も重くなるため大型化が遅れており、整形などの分野では今なおイメージジングプレートが使われている。


== 原理 ==
== 原理 ==

2015年3月17日 (火) 19:03時点における最新版

イメージング・プレート (IPImaging Plate)とは、有機フィルム上の片面に輝尽性蛍光体粉末を塗布した板である。デジタルX線写真の撮影において写真フィルム(X線フィルム)の代わりに用いられる。

概要[編集 | ソースを編集]

イメージングプレートはフィルムに比べ微小なX線吸収差を検出できるため、低被曝かつ高い診断情報を提供できる。また、イメージングプレートではX線情報を消去でき、繰り返し使用することができる。デジタルデータとして取得するため取扱管理が面倒でコストもかかる現像液なども必要ない。いわゆる最近流行のエコ商品の先駆け的な存在である。

同様のものとしてフラット・パネル・ディテクター (FPD)というものがあるが、IPとFPDでは目的こそ同じであるが、デジタル信号に変換するまでの方式が異なる。例えるなら、IPは再利用可能なフィルム、FPDは完全なデジカメである。当然、FPDの方が多くの面で優れているが、FPDの導入は撮影機材すべてを入れ替える必要な一大イベントになるのに対して、とりあえず撮影機材は古いままでもIPとIPリーダー(専用スキャナー)を買ってきてフィルムの代わり利用すれば、最速フィルムレス化を達成でき、手軽に導入できるという利点もある。

利点[編集 | ソースを編集]

軽い。それに伴い大型な製品もある。FPDは大きさに比例して重量も重くなるため大型化が遅れており、整形などの分野では今なおイメージジングプレートが使われている。

原理[編集 | ソースを編集]

イメージング・プレートにX線を照射すると、蛍光体にエネルギーが蓄積され、放射線の吸収量に応じ て蛍光体が発光する(=輝尽性)。この光はX線の照射を停止すると次第に弱まっていくが、時間が経過した後も特定の波長のレーザー光を照射することで再び励起され発光する。

イメージング・プレートを用いるデジタルX線撮影装置では、この発光現象を利用してX線を蛍光体で吸収したものを、レーザー光を照射しながらスキャナにより光量を読み取るという手順により、デジタル信号(画像データ)として取得するというものである。

関連項目[編集 | ソースを編集]

参考文献[編集 | ソースを編集]