放射能
放射能(ほうしゃのう、Radioactivity)とは、物理学的な定義では、放射線(radiation)を出す活性力(放射性,放射活性、放射線を放射する程度)を言う。
一般的には物質の放射活性を指すが、さらに放射能を持つ物質自身、すなわち放射性物質を指す用例も多い。
注意事項[編集 | ソースを編集]
放射能と放射線とを混同してはならない。放射能と放射線とが混同される場面が多々見受けられるが、その定義は明確に異なる。
放射能標識[編集 | ソースを編集]
放射線が発生している場所、例えば病院や診療所などの医療機関におけるCRやCTの撮影室には右記のような放射能標識が表示される。 ちなみに放射能標識に描かれている3つの葉は、アルファ線、ベータ線、ガンマ線を意味している。
ユニコード[編集 | ソースを編集]
UnicodeにはU+2622に放射能標識がある。
☢
HTMLエンティティ文字であれば、「☢」もしくは「☢」と記述する。 MS-IMEやATOKなどから直接入力する方法は不明である。
単位[編集 | ソースを編集]
放射線は原子核が崩壊する時に放射されるため、放射能の強さは1秒間に崩壊する原子核の数で表されベクレル(記号Bq)という単位で表す。
かつては1グラムのラジウムが持つ放射能を単位とし、これを1キュリー(記号Ci)としていた。キュリーは現在でも補助単位としても使用されている。
1グラムのラジウムは毎秒 3.7×1010個のα線を放射しているので、1キュリーは 3.7×1010ベクレルということになる。
歴史[編集 | ソースを編集]
放射能研究の当初は標準単位がなく、核物理学の父と言われるアーネスト・ラザフォードも独自の単位を使用していた。標準となる単位の必要性を感じていたラザフォード自身が基準委員会の委員長となり、1910年に開催された放射線会議 (Rediography Conferene) にて、1グラムのラジウムが持つ放射能を単位とした1キュリー (Ci) が定義された。
その後、1974年にSI単位として国際度量衡総会でベクレルを採択し、1975年から国際標準として用いられている。日本においては法改正がなされた1989年からベクレルが公式使用されている。