カットダウン

カットダウン (英語：cutdown)とは、血管を切開することである。 日本語でいえば静脈切開であるが、より発音が容易なカットダウンという呼び方の一般的である。 PCPS挿入時によく使用される言葉である。 パイプカットとは異なる。

概要

カットダウンは経皮的穿刺が困難な場合や、ラインを確実に確保したい場合に行う最終手段的な手法である。主に注射（点滴）やカテーテルを挿入する際に、皮膚越しでの盲目的操作が難しい患者に対して実施される。

カットダウンに必要な医療器具は「静脈切開セット」として一式が滅菌された状態で販売されている。

手順

医師や医療機関などにより手順は異なる。 より良い手順を加筆いただきたい。

医師の手順

1. 手術用ゴム手袋を着用する。
2. 静脈切開セットを開封する。

   静脈切開セットは滅菌されているので、同じく滅菌されている手術用ゴム手袋を着用した後に開封すること。

3. 切開する部位を消毒する。

   静脈切開セット内のセッシを使用して消毒する。

4. 穴あきの手術用ドレープ（一般名：単回使用汎用サージカルドレープ）で消毒部位を覆う。
5. 局所麻酔をする。
6. 皮膚用のメスで皮膚を切開する。

   皮下組織が露出するまで切開する。

7. 静脈を剥離する。
8. 静脈の末梢側（心臓から遠い方）を結紮する。

   血液の流出を避けるため。

9. 静脈の中枢側（心臓に近い方）に糸を通し、静脈を吊り上げる。
10. 血管用のメスで静脈を切開する。
11. モスキート鉗子で切開部分を把持する。
12. 注射やカテーテルを挿入する。
13. 中枢側で結紮している糸で注射やカテーテルを血管と結紮する。
14. 末梢側で結紮している糸を緩め、注射やカテーテルに繋いでおく。
15. 切開した皮膚を縫合する。
16. 縫合した部分を消毒し、ガーゼをあて、補助テープで固定する。

関連項目

• ライン
• 静脈
• 静脈切開セット