ニュース:遺伝子ビジネスが認定制に。中国企業による出生前診断を規制する狙い。

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2014年1月10日 (金) 12:31時点におけるimported>Administratorによる版 (→‎懸念)
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【2014年1月10日】 妊婦血液から染色体異常を調べる出生前診断や、病気にかかる危険性を判定する「遺伝子検査ビジネス」が急増していることから、経済産業省厚生労働省は共同で研究会を作り、優良事業者の認定制度作りに乗り出す見通し。 [1]

概要

出生前診断を筆頭とした遺伝子検査ビジネスが日本国内で急増している。もともとは医師などが副業的に経営する小規模な国内企業がほとんどであったが、近年では中国などを拠点とする海外業者の参入も急増している。

懸念

これについて経済産業省は「究極の個人情報」である遺伝情報が大量に海外流出する危険性を懸念。

一方、厚生労働省は、これらの業者が10万円以下という従来の半値以下で検査の請負を実現しているが、日本医学会日本産科婦人科学会などの指針(いわゆる自主規制)で必須条件としている遺伝カウンセリングを省略するなどのコスト削減策によって実現しているところが大きく、また科学的根拠が疑問視される検査も多い点を問題視。 [2]

医師会の今村定臣・常任理事は会見で「不用意に行われれば生命の選別に至る恐れが大きい」と指摘。複数の医療機関が中国企業と契約し、すでに検査を始めているとの情報があることを明らかにした。日産婦は指針で「常勤小児科医がいて、遺伝に関する専門外来がある施設」に限っており、日本医学会が施設を認定している。 [3]

2014年1月時点での新型出生前診断で異常を見つけられる確率は、21トリソミー(通称ダウン症)で83%、18トリソミー発達障害など)で80%とされており、99.9999%にはほど程遠く、逆を言えば20%は誤診となるのが実情である。にも関わらず、新型生前診断の結果によって、十分な情報と知識なしに人工妊娠中絶につながる心配がある。

現状

これら遺伝子検査ビジネスには法規制がなく、悪質な業者かどうか利用者が選別するのが難しい。また、利用者の多くはクリニックなどの一見すると信頼できるように見える医療機関を窓口としているため、その裏にいて実際に検査を行っている下請け業者がどこかを知る由がない。

改善

この状況を改善するため、月内にも経済産業省が中心となり、厚生労働省オブザーバーとして参加する研究会を設立しルール作りを始め、2014年度中にも国として指針(事実上の法規制)を決める。

具体的には、判定の根拠に医療科学に関する信頼性の高い論文を使うことを求めるほか、検査を委託する場合は相手先を開示させることが盛り込まれる見通し。

早ければ2015年度にも第三者機関が信頼できる業者を認定する制度の導入を目指す。利用者が判断しやすいように、優良な業者には認定マークを与えることなども検討する方向だ。また、それでも悪質な業者が横行するようならば、法律による罰則付きの規制も検討する考え。

関連項目

参考文献