「動脈血ガス分析」の版間の差分
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2012年11月14日 (水) 21:57時点における最新版
動脈血ガス分析(arterial blood gas analysis, arterial blood for blood gas analysis)とは、血液ガス分析のひとつで、動脈血を採血し、その成分(水素イオン濃度、酸素分圧、二酸化炭素分圧、酸素飽和度など)を分析することで、肺が酸素を取り込んだり二酸化炭素を排出したりする能力を調べ、呼吸器系のガス交換機能に異常がないかを調べる検査のことである。
呼称について[編集 | ソースを編集]
「血液ガス分析」という場合は、ほぼ動脈血ガス分析を指しており、静脈血ガス分析は人工透析患者やそもそも疾病ではない正常な妊婦などの追跡調査を目的に行われる程度である。
また、臨床では主にアストラップ(Astrup)という名称が使われることが非常に多く、血液ガス分析のために動脈血を採取することを「アストラップをとる」などという。アストラップという名称は、この検査方法を確立したコペンハーゲン大学の臨床検査教授、ポール・アストラップ博士の名前に由来する。アストラップ博士は、当時デンマークで流行していたポリオ患者の呼吸状態を診るために血液ガス分析を開発した。
アストラップは数ある血液ガス分析方法のひとつであるが、元祖であり、かつ圧倒的な利用率であるため、その他の血液ガス分析も含め総てをアストラップと呼ぶことも多々ある。これはかつてあらゆるテレビゲーム機が総じてファミコンと呼ばれたのと同じようなものである。
採血[編集 | ソースを編集]
名称に「動脈血」とあることからもわかるように動脈にサンプラー(採血用の注射器)を穿刺し採血を行う。
採血は主に大腿動脈(鼠径部)や上腕動脈(肘)、橈骨動脈(手首)などから行う。
なお、動脈注射は看護師ではなく医師が行う必要がある。 これは何らかの法律により明示的に規制はされているものではないが、1951年に出された厚生省(現在の厚生労働省)からの通知により動脈への穿刺は「看護師の業務の範囲を超えるもの」とされてきたためである。
分析[編集 | ソースを編集]
血液ガス分析装置に検体を入れて結果が出るのを待つ。 結果が出るまでに10分以上かかる機種もあるが、最近の機種は数分で完了するものもある。
血液ガス分析装置に検体を入れるまでの時間はできるだけ早くし、最低でも10分以内が望ましい。これは採血後の血液は時間経過とともに白血球などに代謝されて二酸化炭素分圧と酸素分圧が変化してしまうためである。
なお、血液ガス分析装置がどのような手法で分析を行っているかは「血液ガス分析装置」のページを参照。