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| '''安定ヨウ素剤'''とは、数ある[[ヨウ素]]の[[同位体]]うち、[[安定同位体]]であるヨウ素127(127I) を用いた[[ヨウ素剤]]のことである。 | | '''安定ヨウ素剤'''とは、数ある[[ヨウ素]]の[[同位体]]うち、[[安定同位体]]であるヨウ素127(127I) を用いた[[ヨウ素剤]]のことである。 |
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| 自然界に存在する[[ヨウ素]]は、ほぼ100％が[[安定ヨウ素]]（ヨウ素127）であり、稀にアレルギー反応などを示すこともあるが、基本的には人体への悪影響はない。
| | [[放射線障害予防薬]]や[[画像診断]]における[[ヨード造影剤]]など様々な用途に用いられているが薬品の総称だが、現状では「安定ヨウ素剤と言えば放射線障害予防薬」というくらいの認知度となっている。 |
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| 一方、原子力災害時などにより発生した[[放射性同位体]]である[[放射性ヨウ素]]は、β崩壊することで人体に悪影響を及ぼす。[[放射性ヨウ素]]の内部被曝は[[甲状腺癌]]、[[甲状腺機能低下症]]等の晩発的な障害のリスクを高めることが知られている<ref>{{cite journal|naid=110006226868|title=一般演題 42 セミパラチンスクの甲状腺腫瘍に対して実施したBRAF遺伝子変異検索（特集 第47回原子爆弾後障害研究会講演集）|journal=長崎醫學會雜誌 Nagasaki Igakkai zasshi |volume=81|pages=363-366|year= 2006|month=Sep|author=熊谷敦史、大津留晶、Serik MEIRMANOV、伊東正博、Sagadat SAGANDIKOVA、Daniyal MUSSINOV、Maira ESPENBETOVA ''et al.''}}</ref>。
| | == 脚注 == |
| | | {{reflist}} |
| 人体には[[甲状腺ホルモン]]を合成するために[[甲状腺]]へ[[ヨウ素]]を蓄積しようとする機能がある。また、[[甲状腺]]が[[ヨウ素]]で満たされると、それ以降に摂取した[[ヨウ素]]は大半が速やかに血中から[[尿]]として排出される<ref name="manual">{{cite web|url=http://www.remnet.jp/lecture/b03_03/index.html|title= 安定ヨウ素剤 取扱いマニュアル|author= （財）原子力安全研究協会|work= 緊急被ばく医療研修ページ|accessdate=2011-03-17}}</ref>。
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| 安定ヨウ素剤は、この原理を利用し、予防的に[[安定ヨウ素]]を内服することで、[[甲状腺]]内を[[安定ヨウ素]]で満たし、以後は[[放射性ヨウ素]]も[[安定ヨウ素]]も取り込まれない状態にすることで[[放射線障害]]の予防しようというものである。この効果は本剤の服用から1日程度持続する。
| | == 関連項目 == |
| | * [[放射性ヨウ素剤]] |
| | * [[放射線障害予防薬]] |
| | * [[ヨード造影剤]] |
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| また、[[放射性ヨウ素]]の吸入後であっても、8時間以内であれば約40%、24時間以内であれば7%程度の取り込み阻害効果が認められるとされる<ref>{{cite journal|naid=110001138753 |title=一般演題 38 ヨードの甲状腺局所循環動態に及ぼす影響（特集 第45回原子爆弾後障害研究会講演集）|journal=長崎醫學會雜誌 Nagasaki Igakkai zasshi|volume= 79|pages= 294-296|year= 2004|month=Sep|author=井手昇太郎、森下真理子、大津留晶 ''et al.''}}</ref><ref name="houkoku">{{cite web|url=http://www.nsc.go.jp/bousai/page3/houkoku02.pdf |title=原子力災害時における安定ヨウ素剤予防服用の考え方について|date= 2002-04|author= 原子力安全委員会原子力施設等防災専門部会|accessdate=2011-03-17|format=PDF}}</ref>。
| | {{medical-stub}} |
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| なお、放射性ヨウ素の被曝による甲状腺の障害は、甲状腺の機能が活発な若年者、特に甲状腺の形成過程である[[乳幼児]]においてに顕著であり、40歳以上では有意ではない<ref>{{cite journal|url=http://www.med.nagasaki-u.ac.jp/interna_heal_j/isotope.html |title=原子力事故時におけるヨウ素剤予防投与の実施体制の概要|author=山下俊一 |journal=(社)日本アイソトープ協会 Isotope News |year=2002|month=Jul |pages=10-14}}</ref>ため、本剤の投与は40歳未満の者に対してのみ行われる<ref name="manual"/>。[[国際原子力機関]] (IAEA) の基準では本剤の適用範囲を年齢・[[性別]]を問わずに適用としているが、[[世界保健機関]] (WHO) の基準では40歳未満としている。[[日本]]においては、日常的にヨウ素を多く含む[[海藻]]類の摂取が日本以外の国と比較して多く、[[過剰摂取]]回避に注意する必要がある。
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| == 脚注 ==
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| {{reflist}}
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2012年8月21日 (火) 08:07時点における最新版
