「医療機器製造販売業」の版間の差分
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==概要== | == 概要 == | ||
医療機器製造販売業は、大雑把にいえば製品に対して[[薬機法]](旧:[[薬事法]])にもとづく許認可の申請ができる免許である。 | 医療機器製造販売業は、大雑把にいえば製品に対して[[薬機法]](旧:[[薬事法]])にもとづく許認可の申請ができる免許である。 | ||
製造業と製造販売業は名前からして非常に紛らわしいが、製造業は製品を製造する企業なのに対して、製造販売業は医療事故などが発生したときに患者に損害賠償をする企業である。 | |||
つまり資本金の潤沢な大企業に対して保険会社的な業務を行う目的で与えられる免許である。 | |||
この医療機器製造販売業を持つ企業が扱う製品においてリコールが発生した場合は会社の存亡を無視して賠償しなければならない。 | |||
日本において医療機器製造販売業を行うためには、[[薬機法]](旧:[[薬事法]])に基づき許可を得なければならない。 | 日本において医療機器製造販売業を行うためには、[[薬機法]](旧:[[薬事法]])に基づき許可を得なければならない。 | ||
旧薬事法では「授与(無償提供)」が含まれていなかったが、薬機法では授与(無償提供)も法規制の対象となった。 | |||
==事業者の責務== | ==事業者の責務== | ||
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*品質保証体制が構築されていること([[GQP省令]]に適合) | *品質保証体制が構築されていること([[GQP省令]]に適合) | ||
*安全管理体制が構築されていること([[GVP省令]]に適合) | *安全管理体制が構築されていること([[GVP省令]]に適合) | ||
上記3つは独立した部門であることが求められる。つまり最低3名体制となる(いわゆる「三役」)。この三役は経理や営業などの金銭に関わる部門の者は緊急時に安全より利益を優先する恐れがあるため就任することができない。つまり通常業務を行う者とは別途独立した存在であることが求められる。よって企業としてはある程度の規模である必要がある。 | |||
もっと大雑把にいえば[[ISO 9001]]を[[人命]]の関わる[[医療]]向けに厳密化した[[ISO 13485]]を取得しろということである。 | もっと大雑把にいえば[[ISO 9001]]を[[人命]]の関わる[[医療]]向けに厳密化した[[ISO 13485]]を取得しろということである。 |
2017年9月12日 (火) 16:50時点における最新版
医療機器製造販売業(いりょうききせいぞうはんばいぎょう)とは、医療機器の製造等(他に委託して製造をする場合を含み、他から委託を受けて製造をする場合を含まない)をし、又は輸入をした医療機器を、販売し、賃貸し、又は授与する業態である。いわゆる元売業である。
概要[編集 | ソースを編集]
医療機器製造販売業は、大雑把にいえば製品に対して薬機法(旧:薬事法)にもとづく許認可の申請ができる免許である。 製造業と製造販売業は名前からして非常に紛らわしいが、製造業は製品を製造する企業なのに対して、製造販売業は医療事故などが発生したときに患者に損害賠償をする企業である。 つまり資本金の潤沢な大企業に対して保険会社的な業務を行う目的で与えられる免許である。 この医療機器製造販売業を持つ企業が扱う製品においてリコールが発生した場合は会社の存亡を無視して賠償しなければならない。
日本において医療機器製造販売業を行うためには、薬機法(旧:薬事法)に基づき許可を得なければならない。 旧薬事法では「授与(無償提供)」が含まれていなかったが、薬機法では授与(無償提供)も法規制の対象となった。
事業者の責務[編集 | ソースを編集]
製造販売業業者は当該製品を日本国内に流通させることについて責任を負う主体である。 上市する製品のGQP省令と、上市後の製品に関するGVP省令について、それぞれ省令により要求されている。
表示[編集 | ソースを編集]
薬事法第63条に基づき製品には製造販売業者名が表示される。このため、製造物責任法の適用対象にもなる。
許可の種類[編集 | ソースを編集]
医療機器製造販売業許可は、第1種、第2種、第3種の三種がある。この種別により扱える医療機器のクラスが異なる。医療機器は、告示により、人体等への危険度に応じ、クラスI(危険度低)からIV(高)までの4種に分類されており、第1種は全種類扱うことができる。第2種はクラスII、Iを扱うことができ、第3種はクラスIのみ扱うことができる。
医療機器製造販売業許可は、1法人に1つしか取得できない。
許可要件[編集 | ソースを編集]
許可は、次のような要件を満たしている申請者に対して付与される。
上記3つは独立した部門であることが求められる。つまり最低3名体制となる(いわゆる「三役」)。この三役は経理や営業などの金銭に関わる部門の者は緊急時に安全より利益を優先する恐れがあるため就任することができない。つまり通常業務を行う者とは別途独立した存在であることが求められる。よって企業としてはある程度の規模である必要がある。
もっと大雑把にいえばISO 9001を人命の関わる医療向けに厳密化したISO 13485を取得しろということである。 厚労省などが表向きに発表しているものではないが(常識的にそんな発表できないが)、医療機器の使用に際して事故が発生した際に、金銭的な保証能力、体力がある企業たれ、という内容と思って間違いない。
審査[編集 | ソースを編集]
申請先は、総括製造販売責任者の勤務する事業所のある都道府県知事である。 申請後約都道府県により、GQPやGVP体制の構築状況の査察が行われる。
関連項目[編集 | ソースを編集]
- 医療機器にまつわる免許
- 医療機器製造販売業 → 発売するのに必要な免許(医療機器製造販売業への製造委託、厚労省への許可申請、医療機器販売業に卸す免許)
- 医療機器製造業 → 開発するのに必要な免許(医療機器製造販売業の下請けで製造する場合に必要な免許、これだけでは自社製品であっても製造販売や販売はできない)
- 医療機器販売業 → 販売するのに必要な免許(エンドユーザーに販売する免許)
- 医療機器修理業 → 修理するのに必要な免許(他社製品の修理をする免許。自社製品については医療機器製造業で修理できる。)