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'''フレアー''' (FLAIR; fluid attenuated inversion recovery)とは、[[脳]]の[[MRI]]における撮影法のひとつで、大雑把に言えば[[T2強調画像]]から[[脳脊髄液]](CSF,水分)信号を除去した(真っ黒に塗りつぶした)画像をえる撮像法である。
'''フレアー''' (FLAIR; fluid attenuated inversion recovery)とは、[[脳]]の[[MRI]]における撮影法のひとつで、大雑把に言えば[[T2強調画像]]から[[脳脊髄液]](CSF,水分)信号を除去した(真っ黒に塗りつぶした)画像をえる撮像法である。


== 概要 ==
FLAIRはカリフォルニア大学サンディエゴ校のGraeme Bydder医師により超ウルトラTE(80マイクロ秒前後)で撮影する技法として発表されたのが始まりである。
FLAIRはカリフォルニア大学サンディエゴ校のGraeme Bydder医師により超ウルトラTE(80マイクロ秒前後)で撮影する技法として発表されたのが始まりである。


高信号を示す病変や組織は基本的に[[T2強調画像]]と同じだが、T2強調画像では高信号となる水(脳脊髄液など)が低信号となる。
高信号を示す[[病変]]や[[体組織]]は基本的に[[T2強調画像]]と同じだが、FLAIRでは[[T2強調画像]]で高信号となる水([[脳脊髄液]]など)が低信号となる。


[[MRI]]において、IR法における反転時間 (inversion time, TI) をCSFの磁化がゼロ点を通る時間(2000ミリ秒程度)に設定してCSF信号を抑制する撮像法である。TRを長く取る必要があるため(撮影時間が長くなるので)かつてのIR法では用いられなかったが、FastSE法を採用したturbo-FLAIR法などにより実用化した。繰り返し時(5000ミリ秒程度)に比べて反転時間が長いが、シーケンスデザインの工夫により、十分なマルチスライスが得られるようになった。T2強調像においてCSFと区別しにくい高信号病変や、[[くも膜下出血]]の[[診断]]、[[病変]]と[[脳室]]との境界の判別に有効であるとされている。
FLAIRは、[[MRI]]において[[IR法]]における反転時間 (inversion time, [[TI]]) を[[CSF]]の磁化がゼロ点を通る時間(2000ミリ秒程度)に設定してCSF信号を抑制する撮像法である。[[TR]]を長く取る必要があるため(撮影時間が長くなるので)かつての[[IR法]]では用いられなかったが、[[FastSE法]]を採用したturbo-FLAIR法などにより実用化した。
 
繰り返し時(5000ミリ秒程度)に比べて反転時間が長いが、シーケンスデザインの工夫により、十分な[[マルチスライス]]が得られるようになった。
 
[[T2強調像]]において[[CSF]]と区別しにくい高信号病変や、[[くも膜下出血]]の[[診断]]、[[病変]]と[[脳室]]との境界の判別に有効であるとされている。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2012年7月24日 (火) 23:59時点における最新版

フレアー (FLAIR; fluid attenuated inversion recovery)とは、MRIにおける撮影法のひとつで、大雑把に言えばT2強調画像から脳脊髄液(CSF,水分)信号を除去した(真っ黒に塗りつぶした)画像をえる撮像法である。

概要[編集 | ソースを編集]

FLAIRはカリフォルニア大学サンディエゴ校のGraeme Bydder医師により超ウルトラTE(80マイクロ秒前後)で撮影する技法として発表されたのが始まりである。

高信号を示す病変体組織は基本的にT2強調画像と同じだが、FLAIRではT2強調画像で高信号となる水(脳脊髄液など)が低信号となる。

FLAIRは、MRIにおいてIR法における反転時間 (inversion time, TI) をCSFの磁化がゼロ点を通る時間(2000ミリ秒程度)に設定してCSF信号を抑制する撮像法である。TRを長く取る必要があるため(撮影時間が長くなるので)かつてのIR法では用いられなかったが、FastSE法を採用したturbo-FLAIR法などにより実用化した。

繰り返し時(5000ミリ秒程度)に比べて反転時間が長いが、シーケンスデザインの工夫により、十分なマルチスライスが得られるようになった。

T2強調像においてCSFと区別しにくい高信号病変や、くも膜下出血診断病変脳室との境界の判別に有効であるとされている。

関連項目[編集 | ソースを編集]