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'''EMIスキャナ''' | '''EMIスキャナ'''(英語:EMI Scanner)とは、英国EMI社(Thorn EMI中央研究所、現:[[東芝メディカルシステムズ]])が開発し、世界初の商業化を果たした臨床用[[CT]]の名称である<ref>[http://www.toshiba-medical.co.jp/tmd/products/ct/ct-anniversary/pdf/1975_01.pdf EMI スキャナ - 東芝メディカルシステムズ株式会社]</ref>。なお、製品化したのが世界初であり、研究用に開発された[[CT]]としては世界初ではない。 | ||
EMIスキャナは、1967年に[[ゴッドフリー・ハウンズフィールド]]によって考案され、それから5年後の1972年に製品化の目処が付いたことが発表された。また、マサチューセッツ州のタフス大学の[[アラン・コーマック]] | == 概要 == | ||
EMIスキャナは、1967年に[[ゴッドフリー・ハウンズフィールド]]によって考案され、それから5年後の1972年に製品化の目処が付いたことが発表された。また、マサチューセッツ州のタフス大学の[[アラン・コーマック]]は独自に同様の装置を発明した。彼らは1979年の[[ノーベル医学生理学賞]]を受賞した。 | |||
== 日本での導入 == | |||
1975年(昭和50年)5月7日に英国エリザベス女王(エリザベス2世)が日本を訪問した際に「貿易摩擦の解消に導入してはいかがでしょうか?」と日本政府にEMIスキャナの導入を提案したと言われている。 | |||
当時のEMIスキャナの価格は1台1億円(現在の10億円程度)を越える代物であったが、外交的に当然断れるわけもなく、実際その3ヶ月後の同年8月には、EMIへ資本参加しており、かつ[[超音波診断装置]]などの小型の[[医療機器]]も手がけていた[[東芝]]が輸入することとなり、[[東京女子医科大学病院]]に設置した。 | |||
政治的な理由で導入されたということもあり、その購入代金は[[厚生省]](現:[[厚生労働省]])ではなく、日本政府が自賠責保険の運用益から「交通事故時の頭部外傷に役立てる」という名目で支払ったとされる。 | |||
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EMI社に所属していたビートルズの記録的なレコードの売上が、[[CTスキャナー]]を含めたEMI社の科学研究資金の供給元だったとも考えられるため、CTスキャナーは「ビートルズによる最も偉大な遺産」とも言われている。このため[[東芝]]の営業プレゼンはビートルズ自慢から始まるのが通例となっている。 | |||
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2013年12月10日 (火) 09:30時点における最新版
EMIスキャナ(英語:EMI Scanner)とは、英国EMI社(Thorn EMI中央研究所、現:東芝メディカルシステムズ)が開発し、世界初の商業化を果たした臨床用CTの名称である[1]。なお、製品化したのが世界初であり、研究用に開発されたCTとしては世界初ではない。
概要[編集 | ソースを編集]
EMIスキャナは、1967年にゴッドフリー・ハウンズフィールドによって考案され、それから5年後の1972年に製品化の目処が付いたことが発表された。また、マサチューセッツ州のタフス大学のアラン・コーマックは独自に同様の装置を発明した。彼らは1979年のノーベル医学生理学賞を受賞した。
日本での導入[編集 | ソースを編集]
1975年(昭和50年)5月7日に英国エリザベス女王(エリザベス2世)が日本を訪問した際に「貿易摩擦の解消に導入してはいかがでしょうか?」と日本政府にEMIスキャナの導入を提案したと言われている。
当時のEMIスキャナの価格は1台1億円(現在の10億円程度)を越える代物であったが、外交的に当然断れるわけもなく、実際その3ヶ月後の同年8月には、EMIへ資本参加しており、かつ超音波診断装置などの小型の医療機器も手がけていた東芝が輸入することとなり、東京女子医科大学病院に設置した。
政治的な理由で導入されたということもあり、その購入代金は厚生省(現:厚生労働省)ではなく、日本政府が自賠責保険の運用益から「交通事故時の頭部外傷に役立てる」という名目で支払ったとされる。
その他[編集 | ソースを編集]
EMI社に所属していたビートルズの記録的なレコードの売上が、CTスキャナーを含めたEMI社の科学研究資金の供給元だったとも考えられるため、CTスキャナーは「ビートルズによる最も偉大な遺産」とも言われている。このため東芝の営業プレゼンはビートルズ自慢から始まるのが通例となっている。