「放射性崩壊」の版間の差分
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放射性崩壊は、'''放射性壊変'''(ほうしゃせいかいへん)、'''放射壊変'''(ほうしゃかいへん)、'''原子核崩壊'''(げんしかくほうかい)、あるいは、単に'''崩壊'''とも呼ばれることもある。 | |||
[[放射性同位体]]の半数が放射性崩壊をおこす確率を[[半減期 (物理学)|半減期]]という。あくまで確率なので絶対ではないが、総量が多ければ確率は収束するので絶対と言ってよい。 | |||
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: [[アルファ粒子]]を放出し、[[陽子]]2個・[[中性子]]2個を減じた[[核種]]に変わる。核分裂反応の一つとして認識されることもある(例:<sup>226</sup>[[ラジウム|Ra]]→<sup>222</sup>[[ラドン|Rn]])。 | : [[アルファ粒子]]を放出し、[[陽子]]2個・[[中性子]]2個を減じた[[核種]]に変わる。核分裂反応の一つとして認識されることもある(例:<sup>226</sup>[[ラジウム|Ra]]→<sup>222</sup>[[ラドン|Rn]])。 | ||
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: [[質量数]] | : [[質量数]]を変えることなく、[[陽子]]・[[中性子]]の変換が行われる反応の総称で、β<sup>-</sup>崩壊([[陰電子崩壊]])、β<sup>+</sup>崩壊([[陽電子崩壊]])、[[電子捕獲]]、[[二重ベータ崩壊]]、[[二重電子捕獲]]([[:en:Double electron capture|Double electron capture]])が含まれる。 | ||
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: | : それぞれの崩壊を終えた直後の[[原子核]]には過剰な[[エネルギー]]が残存するため、[[電磁波]]([[ガンマ線]])を放つことにより安定化をしようとする反応である。 | ||
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: | : 非常に重く不安定な[[核種]]では、その[[原子核]]が質量の小さな[[原子核]]に分裂し、巨大なエネルギーを放つとともに、より安定な[[核種]]へと変化する。例えば、[[ウラン235|<sup>235</sup>U]]に[[中性子]]を衝突させると、<sup>95</sup>[[モリブデン|Mo]]と<sup>139</sup>[[ランタン|La]]に分裂し、2つの[[中性子]]を放出し、[[質量欠損|欠損した質量]]分の[[エネルギー]]が発生する。 | ||
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: | : [[核分裂反応]]のうち、自由な[[中性子]]の照射を受けることなく起きる[[核分裂]]を指す。現象そのものは人為的な[[核分裂反応]]と変わらない。 | ||
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: | : ITと略される。[[原子番号]]と質量数ともに同じで、[[エネルギー準位]]が異なるような二つの核種を、[[核異性体]]であるという。例えば、<sup>99</sup>Tcと<sup>99m</sup>Tcは互いに核異性体である。エネルギー準位が高いほうは記号mを付けて区別するのだが、こちらは[[準安定状態]](メタステーブル)であり、余剰のエネルギーを放出して安定になろうとする。エネルギー準位が高いほうの核異性体がガンマ線を放出して、より安定な方の核異性体に変化することを、核異性体転移という。放出される放射線はガンマ線であり、[[原子核]]の[[原子番号]]と質量数はともに変化しない。 | ||
: <sup>99m</sup>Tc → <sup>99</sup>Tc + γ (T<sub>1/2</sub>=6.01h) | : <sup>99m</sup>Tc → <sup>99</sup>Tc + γ (T<sub>1/2</sub>=6.01h) | ||
: | : 一部の[[核異性体転移]]では、[[ガンマ線]]が[[軌道電子]]にエネルギーを与えてはじき出す。これを[[内部転換]]という。[[電子]]がはじき出される点で[[ベータ崩壊]]に似ているが、[[原子核]]は変化しておらず、自らの[[原子]]は[[イオン化]]される。 | ||
== 関連項目 == | |||
* [[放射性同位体]] | |||
* [[安定同位体]] | |||
== 参考文献 == | |||
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2012年11月12日 (月) 10:08時点における最新版
放射性崩壊(ほうしゃせいほうかい、英語:radioactive decay)とは、不安定な原子核(放射性同位体)が様々な相互作用によって状態を変化させ、その際に放射線を出す現象のことである。
放射性崩壊は、放射性壊変(ほうしゃせいかいへん)、放射壊変(ほうしゃかいへん)、原子核崩壊(げんしかくほうかい)、あるいは、単に崩壊とも呼ばれることもある。
放射性同位体の半数が放射性崩壊をおこす確率を半減期という。あくまで確率なので絶対ではないが、総量が多ければ確率は収束するので絶対と言ってよい。
放射性崩壊の種類[編集 | ソースを編集]
これらの現象の詳細は、個別の記事を参照のこと。
- アルファ崩壊
- アルファ粒子を放出し、陽子2個・中性子2個を減じた核種に変わる。核分裂反応の一つとして認識されることもある(例:226Ra→222Rn)。
- ベータ崩壊
- 質量数を変えることなく、陽子・中性子の変換が行われる反応の総称で、β-崩壊(陰電子崩壊)、β+崩壊(陽電子崩壊)、電子捕獲、二重ベータ崩壊、二重電子捕獲(Double electron capture)が含まれる。
- ガンマ崩壊
- それぞれの崩壊を終えた直後の原子核には過剰なエネルギーが残存するため、電磁波(ガンマ線)を放つことにより安定化をしようとする反応である。
- 核分裂反応
- 非常に重く不安定な核種では、その原子核が質量の小さな原子核に分裂し、巨大なエネルギーを放つとともに、より安定な核種へと変化する。例えば、235Uに中性子を衝突させると、95Moと139Laに分裂し、2つの中性子を放出し、欠損した質量分のエネルギーが発生する。
- 自発核分裂
- 核分裂反応のうち、自由な中性子の照射を受けることなく起きる核分裂を指す。現象そのものは人為的な核分裂反応と変わらない。
- 核異性体転移
- ITと略される。原子番号と質量数ともに同じで、エネルギー準位が異なるような二つの核種を、核異性体であるという。例えば、99Tcと99mTcは互いに核異性体である。エネルギー準位が高いほうは記号mを付けて区別するのだが、こちらは準安定状態(メタステーブル)であり、余剰のエネルギーを放出して安定になろうとする。エネルギー準位が高いほうの核異性体がガンマ線を放出して、より安定な方の核異性体に変化することを、核異性体転移という。放出される放射線はガンマ線であり、原子核の原子番号と質量数はともに変化しない。
- 99mTc → 99Tc + γ (T1/2=6.01h)