「フラット・パネル・ディテクター」の版間の差分
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2012年7月27日 (金) 11:17時点における版
フラット・パネル・ディテクター (FPD、Flat Panel Detector)とは、X線をデジタル信号に変換する装置である。
類似のものとしてイメージング・プレート (IP)というものがある。FPDとIPでは目的こそ同じであるが、デジタル信号に変換するまでの方式が大きく異なる。IPは昔ながらのレントゲン写真の延長であり、カセッテに装填するのがフィルムかIPかというのが主な違いで、デジタル画像化(現像)は1回撮影するごとにカセッテを取り外し別途行う必要がある。一方、FPDはカセッテに相当する部分がX線の検出器になっており、直接デジタル画像化が可能となっているため、連続撮影や動画撮影なども可能となっている。
大雑把に言えば、FPDはX線検出器を横一直線に並べたMDCT(マルチ・ディテクタCT)の応用で、X線検出器を縦横に平面的に並べたものと思ってほぼ間違いない。
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどの薄型ディスプレイの総称もFPD (Flat Panel Display、フラット・パネル・ディスプレイ)であるが、医療分野で用いられているFPDとはまったくの別物である。
原理
FPDと一言で言っても複数の方式があり、大きくわけて、X線を直接電気信号に変換する直接変換方式と、いったん光信号に変換した後に電気信号に変換する間接変換方式(シンチレータ方式)がある。
直接変換方式
直接変換方式では、X線をセレン(Se)に代表されるX線検出素子により直接電荷として取得する。
間接変換方式と比べ、特に低線量領域でのX線吸収率が高いため、ピクセルサイズの微細化が可能となり、空間的分解能を向上を期待できる。 一方で、感度が問題となり照射線量の増加が懸念される。
間接変換方式
間接変換方式(シンチレータ方式)では、X線を硫酸化ガドリニウムやヨウ化セシウムなどの蛍光体で吸収し、そこで発生した光をフォトダイオードで電荷として取得する。
直接方式と比べ画像のボケが問題となるが、一般的に照射線量は少なめで済む。