高精細モニター

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高精細モニターとは、医用画像を表示することに特化した高精細(高解像度)、かつ高画質かつ、サポート・保証体制の整ったモニター(ディスプレイ)のことである。プライスレス。

基本的には読影用のモニターのことであるが、近年では病院情報システム電子カルテなどと連携したPACSが普及したことにより、放射線科の読影室以外でも医用画像を見るようになったため、量販店で市販されている21~24インチ程度の液晶ディスプレイにパネル保証等を付けた電子カルテ向け高精細モニターや、50インチを越える大型の手術室向け高精細モニターなる製品も登場し始めている。

解像度

読影用の高精細モニターは、20~21インチほどの大きさでありながら解像度は300~500万画素(5メガピクセル,2048x2560)と高密度で、かつモノクロ(グレイスケール)であることが多い。

またマンモグラフィーなどの超高解像度が求められる分野向けにサブピクセルを用いて1500万画素(15MP)を越える解像度を実現した製品も登場している。なお、サブピクセル表示を利用するにはサブピクセル表示に対応したソフトウェア(DICOMビューア)が必要である。サブピクセル表示に対応していないDICOMビューアでは15MPの高精細モニターを用いても5MP表示となる、または最悪の場合は画面が映らないこともあるので注意が必要である。

画質

高精細モニターでは、DICOM規格の14章(DICOM3.0 Part14)で規定されている「Grayscale Standard Display Function(グレイスケール標準表示関数)」に準拠しているのが一般的である。電子カルテ向けはともかく、読影向けでは準拠していない製品など見たことがない。

また、高精細モニターでは色数も一般的な液晶ディスプレイよりも多く、家電量販店で売っているような液晶ディスプレイの場合はグレースケールは256階調であるのに対して、高精細モニターではグレースケール表示において1024階調(10bit)から4096階調(12bit)をサポートしているという製品が多い。なお、高階調表示を利用するには高階調表示に対応したソフトウェア(DICOMビューア)が必要である。高階調表示に対応していないDICOMビューアでは12bitの高精細モニターを用いても8bitまでしか表示されないので注意が必要である。

ミドルレンジ機種では、モニターのフレーム部分にキャリブレーターを内蔵しており、ボタンひとつで全自動でキャリブレーションしてくれるものもある。 一方でハイエンド機種の場合はこのような機能がないことが多い。その代わり定期的にメーカーの保守要員が訪問し、手動でキャリブレーションしてくれる。まさに高級機。

保証

高精細モニターは製品保証期間が5年であるのが一般的である。これは薬事法で定める[[医療機器]の保証期間が5年であるためと思われる。

また、多くのメーカーはミドルレンジ以上の製品向けに稼働時間保証というサービスを提供している。高精細モニターの内部に稼働時間を記録するタイマーが搭載した製品において、稼働時間が一定時超えると問答無用で新品と交換になるサービスである。

さらに、一部メーカーではハイエンド製品向けに輝度保証というサービスを提供している。これは定期的にメーカーの保守要員が訪問し、キャリブレーションしてくれるサービスの一環として、輝度が一定以上低下したことが検出されると問答無用で新品と交換になるサービスである。

その他

高精細モニターは、PACSに組み込まれれば医療機器であり、単品ではPC部品扱いで医療機器ではないという微妙な位置づけとなっている。このため薬事認証を受けた高精細モニターは皆無である。

主なメーカー

  • ナナオ - 医療現場では右見ても左見てもナナオってくらい圧倒的である
  • WIDE - フィリップスあたりがよく持ってくる
  • TOTOKU (東京特殊無線) - サブピクセル製品を真っ先に出したが


関連項目