高精細モニター

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ファイル:ナナオ RadiForce GX530.png
EIZO(ナナオ) RadiForce GX530
マンモグラフィ用サブピクセル機(15MsP、2048×7680ドット)

高精細モニターとは、医用画像を表示することに特化した高精細(高解像度)、かつ高画質、かつサポート・保証体制の整ったモニター(ディスプレイ)のことである。価格はプライスレス。

医療のみならず、デザイン業界や放送業界でも似たような高精細度のモニターは存在しているが、その呼び方は高精細モニターではなく高精細ディスプレイまたはディスプレイモニターと呼ばれることが多い。一方、医療の現場では単に高精細と呼ぶのが一般的であり、単純に「モニター」という場合は高精細モニターではなく生体情報モニターを指すことが多い。似たような製品でも業界によって呼び方が違う。

形状[編集 | ソースを編集]

一般的な薄型テレビやPC用ディスプレイは横長だが、縦長な人体を見るのが主目的なので縦方向にチルト(90度回転)するのが一般的である。なお動物病院電子カルテ兼用などは横長の方が適している。

基本的には読影用のモニターのことであるが、近年では病院情報システム電子カルテなどと連携したPACSが普及したことにより、放射線科の読影室以外でも医用画像を見るようになったため、量販店で市販されている21~24インチ程度のデザイナ向けのハイエンド液晶ディスプレイにパネル保証等を付けた電子カルテ向け高精細モニターや、50インチを越える大型の手術室向け高精細モニターなる製品も登場し始めている。

解像度[編集 | ソースを編集]

読影用の高精細モニターは、20~21インチほどの大きさでありながら解像度は300~500万画素(5メガピクセル,2048x2560)と高密度で、かつモノクロ(グレイスケール)であることが多い。なお「これ以上の解像度なら高精細モニター」という決まった解像度があるわけではない。

またマンモグラフィなどの超高解像度が求められる分野向けにサブピクセルを用いて1500万画素(15MsP、Mega sub Pixel)を越える解像度を実現した製品も登場している。なお、サブピクセル表示を利用するにはサブピクセル表示に対応したソフトウェア(DICOMビューア)が必要である。サブピクセル表示に対応していないDICOMビューアでは15MsPの高精細モニターを用いても5MP表示となる、または最悪の場合は画面が映らないこともあるので注意が必要である。たとえばOsiriXは標準でサブピクセル表示に対応していないが、プラグインを入れればサブピクセル表示が出来る。

画質[編集 | ソースを編集]

ルックアップテーブル[編集 | ソースを編集]

高精細モニターでは、入力値を計算により更なる多階調化した上で、ルックアップテーブルと呼ばれるカラーパレットから最適なRGB各色8~12ビットの表示色を取り出して出力する機能を持っている。

その計算式はDICOM規格の14章(DICOM3.0 Part14)で規定されている「Grayscale Standard Display Functionグレイスケール標準表示関数)」に準拠しているのが一般的である。電子カルテ向けはともかく、読影向けでは準拠していない製品など見たことがない。

なお、ルックアップテーブルにも10~12ビットという表現をするが、後述する「高階調」でいうビット数とは異なるものである。

高階調[編集 | ソースを編集]

高精細モニターでは階調も高い。家電量販店で売っているような液晶ディスプレイの場合はグレースケール表示256階調であるのに対して、高精細モニターではグレースケール表示において1024階調(10bit)から4096階調(12bit)をサポートしているという製品が多い。

つまり高精細モニターではコントラスト差が少ない部分や微細構造を一発表示できる。市販の安い8ビットディスプレイでもウィンドウレベルをギリギリまで調整すれば問題なく見えると言えば見えるが、ウィンドウレベル調整ミスによる見落としの原因になる可能性があり、かつ細かいウィンドウレベル調整は読影時間を浪費する無駄な作業時間でしかなく、その数秒~数十秒が生死を分ける可能性すらあるのでオススメできない。

何億円、何十億円もする製品ならまだしも、せいぜい何十万円の製品で、使い捨てではなく何年も使うことを考えたら、ここはケチるな。

注意:専用ソフトが必要[編集 | ソースを編集]

高精細モニターで8bitを超える高階調表示を利用するには、高階調表示に対応したソフトウェア(DICOMビューア)が必要である。高階調表示に対応していないDICOMビューアでは12bitの高精細モニターを用いても8bitまでしか表示されないので注意が必要である。

Windows XPまでにおいてはゲームなどで用いられるDirectXのフルスクリーン表示以外では8bitを越える階調を出せないので、Windows XPでも動く普通のウィンドウアプリケーションであれば対応していないと見て間違いない。Windowsにおいてタスクバーを覆い隠しているだけで「DirectXのフルスクリーン」でないインチキ製品も多数ある存在するので注意が必要である。

注意:インチキ製品[編集 | ソースを編集]

量販店で売っている安い液晶ディスプレイの多くは各色8bitの約1677万色をうたっているが、実際は6ビット+FRCによる疑似フルカラーという詐欺まがいな製品が多く、高階調表示に対応した高精細モニターで8ビット表示するだけでも圧倒的な差になる。この差を10~12ビット表示によるものだと誤解しないこと。

なお、「医用」と銘打ってる製品であれば、10万円を割り込むくらいの安い電子カルテ向け高精細モニターでも8ビット表示くらいはできることが多い。電子カルテ向けの高精細モニターは安物と思われがちだが、その多くは出版社などで使うデザイナ向け製品や建設業などで使うCAD向け製品のリネーム品であり、それらは価格の割りに画質は悪くない。

FRC[編集 | ソースを編集]

※FRC(Frame Rate Control)とは、画面のフレーム書き換え/フレームレート、および人間のの残像効果を利用して、見かけ上の発色数を増やす仕組み。動きの速い動画が大前提の機能であり、医用画像、とくに静止画が大前提の読影時にはまったく意味のない機能である。また動画であっても高諧調が求められるアンギオ血管造影)の場合は微妙だと言わざるを得ない。

なお、FRCを用いている製品は液晶の応答速度に重点を置いていることが多く、内視鏡エコーで撮影した基本的に高諧調が求められない動画などを見るのには適している。また、FRCを用いている製品は価格帯も非常に安価であるため極度の画質が求められない検像端末などにも採用されていることも多い。

キャリブレーション[編集 | ソースを編集]

ミドルレンジ機種では、モニターのフレーム部分にキャリブレーターを内蔵しており、ボタンひとつで全自動でキャリブレーションしてくれるものもある。一方でハイエンド機種の場合はこのような機能がないことが多い。その代わり定期的にメーカーの保守要員(コンシェルジュ)が訪問し、手動でキャリブレーションしてくれる。まさに高級機。

保証[編集 | ソースを編集]

高精細モニターは製品保証期間が5年であるのが一般的である。これは税法で定める耐用年数が5年となる価格帯の製品であり、それに付随するかたちで薬事法で定める医療機器耐用期間も5年に設定されていることが多いためであると思われる。

また、多くのメーカーはミドルレンジ以上の製品向けに稼働時間保証というサービスを提供している。これは高精細モニターの内部に稼働時間を記録するタイマーを搭載した製品において、稼働時間が一定時超えると問答無用で新品と交換になるサービスである。

さらに、一部メーカーではハイエンド製品向けに輝度保証というサービスを提供している。これは定期的にメーカーの保守要員が訪問し、キャリブレーションしてくれるサービスの一環として、輝度が一定以上低下したことが検出されると問答無用で新品と交換になるサービスである。

その他[編集 | ソースを編集]

高精細モニターは、PACSに組み込まれれば医療機器であり、単品ではPC部品扱いで医療機器ではないという微妙な位置づけとなっている。 PACSメーカーが高精細モニター込みのシステムを作れば、それは薬事認証を受けられるが、ディスプレイメーカー単体では薬事認証を受けれないため、薬事認証を受けた高精細モニターは皆無である。

高精細モニターの電源ランプは、市販の液晶テレビの液晶ディスプレイのように電源のオン・オフで赤点灯・青点灯に切り替わるではなく、電源オフで点灯、電源オンで消灯となっている。これは本格的な読影を行う読影室は暗室となっており、電源ランプの光は非常に目に付くためである。

主なメーカー[編集 | ソースを編集]

  • ナナオ - 医療現場では右見ても左見てもナナオってくらい圧倒的である。無名PACSメーカーでも相手にしてくれるというのが大きいと言われている。
  • WIDE - フィリップスあたりがよく持ってくる。
  • TOTOKU (東京特殊電線) - サブピクセル製品を真っ先に出したが。

関連項目[編集 | ソースを編集]